

概要
シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]では、多様な人々が協働し、アートとデジタルテクノロジーによる創作活動を行う短期集中ワークショップ「未来提案型キャンプ」を開催しています。本プログラムでは、選考を経た20名程度の参加者が、思考法を身につける講義やスキル習得のためのワークショップ、グループによる協働制作を複数日にわたって行うほか、トークイベントや成果展示なども一般公開します。
第7回目となる今回は、東京・池袋で開催される舞台芸術祭「秋の隕石」との共同企画プロデュースで、演劇とテクノロジーをテーマに、東京芸術劇場にて実施します。テクノロジーと演劇表現の両分野で活躍する3名のディレクターによる協働ディレクションのもと、演劇におけるテクノロジーの活用を学ぶとともに、演劇というメディアを専門的に探究する交流の機会を創出し、未来に向けた新たな「演劇」の提案を目指しました。
Future Ideations Camp Vol.7:Super Sober Shamanism:同期・共在・模倣を演劇とテクノロジーの両岸から考える
開催日時:2025年10月1日(水曜日)〜10月12日(日曜日) ※6日(月曜日)のみ休み
会場:東京芸術劇場 アトリエウエスト、ギャラリー2、シンフォニースペース、リハーサルルームL・S
企画・制作:シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]、舞台芸術祭「秋の隕石」


ディレクターズ・ステートメント
ご飯を作る時にradikoをかける。帰ってきてビールを空けながら配信のリアタイ待ちをする。メッシュ予報で30分後の雨雲の位置を見る。現在の日常風景は、複数化された時間・空間・身体の層から成り立っています。
私たちはテクノロジーと演劇を構成するものは複数の事象の「重ね合わせ」であると考えました。異なる存在たちが、異なるリズムと欲望を保ったままにそれぞれの時間と空間を重ね合わせること(同期・共在)、そして、模倣という行為を通じて、ひとつの身体と人格にもうひとつ(あるいはもっと多く)のそれらを重ね合わせること。テクノロジーと演劇の根源をなす重ね合わせの作用をさらに重ね合わせることによって、両者をどのように再定義し、増幅し、増殖させていくことができるでしょうか?
テクノロジーと演劇について考えるためには、何はともあれまずは手や身体を動かしてみることが大事です。本プログラムでは、料理に用いるピーラーやアニサキス検知用ライト(=ブラックライト)、ピピッとコンロのような、直感的に操作できる道具を用意します。参加者はこれらを「手に取って触れ」「実際に試す」ことで、AI/XRといったデジタルエンボディメント、サウンドデザイン、テキスト操作など、上演にまつわる諸技術に精通した講師たちとともに、その使い方を学びます。そしてキャンプ内でチームを組み、クリエーション期間を通し上演/展示作品の制作に取り組みます。
新しいテクノロジーのまとう、どこか魔術的な雰囲気は、演劇の儀礼的な性格、演じることのシャーマニズム的な性格を再び呼び起こすでしょう。しかしそれは、陶酔の熱狂からクールに身をかわす、きわめて素面(シラフ)のシャーマニズムであることでしょう。
江口正登 ゴッドスコーピオン 篠田千明
成果作品
参加者

蟻塚唯衣
アーティスト、色聴翻訳者

石丸めぐみ
大学生、魔女

岩下拓海
俳優

上野森爾
音楽家、勉強家

内田颯太
写真家

姥凪沙
アーティスト

遠藤友咲
プラクティショナー、大学院生

加藤野愛
パフォーマー、旅人

コウ カイン
大学院生

小林遼
アーティスト、演出家、精神科医

Shion Kim
アーティスト

シン カギ
大学院生

鈴木調
パフォーマー、映像作家

遅亦周
舞台美術デザイナー

中橋侑里
アーティスト、デザインリサーチャー

中山皓仁
デザイナー、大学生

廣瀬一穂
演出家

藤中康輝
アーティスト、演出家

宮田真理子
カメラマン、舞台映像デザイナー、オペレーター

村田実莉
ビジュアルアーティスト

矢木奏
アーティスト

横山豪
エンジニア

Luna
大学生
講師・ファシリテーター
プログラムディレクター
スタッフ
- プログラム・ディレクション
- 伊藤隆之(CCBT)
- ドラマトゥルク
- 木村悠介(&Co.)、羽鳥嘉郎(秋の隕石)
- プログラム・マネジメント
- 伊藤遥(CCBT)、鹿島萌子、寺田凜(秋の隕石)、半澤裕彦(秋の隕石)
- テクニカル・ディレクション
- 三浦大輝(arsaffix)
- テクニカル・スタッフ
- イトウユウヤ(arsaffix)、稲田駿平(CCBT)、上田蟬(CCBT)、乙戸将司(CCBT)、バクトゥル ガムゼ(arsaffix)、平瀬ミキ(arsaffix)、村川龍司(arsaffix)
- 配信ディレクション
- 岡本彰生(ネーアントン合同会社)
- 記録
- 宮澤響(株式会社コグワークス)、渡辺俊介
- 舞台進行
- 佐藤幸美(株式会社ステージワークURAK)
- 運営
- 林慶一(オノコロ)、冠那菜奈(オノコロ)、岩中可南子(オノコロ)、小泉実樹(オノコロ)
舞台芸術祭「秋の隕石2025東京」

豊島区池袋の東京芸術劇場を中心に、2025年10月1日より11月3日まで開催する国際的な舞台芸術祭「秋の隕石2025東京」。演劇作家・演出家・小説家・チェルフィッチュ主宰の岡田利規がアーティスティック・ディレクターを務め、あらゆる人々に対して広く開かれた国際的な舞台芸術祭となることをめざす。今、ここ、にある日本と世界の舞台芸術表現が、より身近なもの、自分と直接接続し腑に落ちるものとして捉えられるような、さまざまな現実の姿に気づき新たな視点でこの世界を捉え直すことができるような機会を創り出す。2025年は、国内・海外の多様な舞台芸術作品14演目による「上演プログラム」、レクチャーやワークショップなどの「上演じゃないプログラム」、その両方を支える「ウェルカム体制(=来場サポートのこと)」の3つを展開する。
主催:東京舞台芸術祭実行委員会〔東京都、東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)〕
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(国際芸術交流))|独立行政法人日本芸術文化振興会
協賛:アサヒグループジャパン株式会社
メディアパートナー:Tokyo Art Beat
協力:豊島区、西武鉄道株式会社、東武鉄道株式会社

主催:東京都、シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT](公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京)、東京舞台芸術祭実行委員会〔東京都、東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)〕




Photo by Shunsuke Watanabe