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未来提案型キャンプ

【一般公開】Future Ideations Camp Vol.5:AIは生命になり得るか?成果展示

2025.01.30(木)–2025.02.02(日)
シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]
 
会期
2025年1月30日(木)〜2月2日(日)
開館時間
13:00~19:00
会場
シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]
観覧料
無料

AIを起点に人間とテクノロジーのこれからの関係性について検討する、未来提案型キャンプ「Future Ideations Camp Vol.5:AIは生命になり得るか?」総勢約40名で取り組んだキャンプの様子と成果、更には、キャンプで”登壇”したヒューマノイド「オルタ3」などを展示します

シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]では、多様な人々が協働し、アートとデジタルテクノロジーによる創作活動を行う短期集中ワークショップ「未来提案型キャンプ」を開催しています。本プログラムでは、選考を経た20名程度が、思考法を身につける講義、スキルセットをつくるワークショップ、グループワークによる協働制作を複数日にわたって行うほか、トークや成果展示などを一般公開します。参加者は開催毎に設定された課題について学ぶほか、グループワークを通じた協働制作により、クリエイティブなアプローチで社会課題に取り組み、未来に向けた新たな提案を創造することを目指します。

第5回目となる「未来提案型キャンプ」では、「人工知能(AI)」を起点として「自律性」をキーワードに、人間とテクノロジーのこれからの関係性について「人工生命(ALife)」のプラクティスを参照しながら考え、新たな提案を生み出すことに挑戦しました。
「非生命である機械が生命に近づくために必要な要素とは?」「これから生命になり得るかもしれない人工システムを『他者』として受け入れる未来とは? 」これら問いのもと、AIやロボットと共に生きる社会を構想する研究者、AIの仕組みや技術的背景の探求から作品発表を行うアーティスト、生命的な振る舞いや特質をヒントに制作に取り組むプログラマーやファッションデザイナー等、実践者を講師に迎え、レクチャーやワークショップを実施。プログラムの後半で取り組むグループワークによる共創を通じて、参加者はこれからの社会に必要なルール/システムについての構想や、新たな表現を生み出すことに取り組みました。

一般公開となる本成果展示では、参加者と講師およびファシリテーターの総勢約40名で取り組んだキャンプの様子と、「共生(社会)」「あり得たかもしれない知性」「ファッション」「AIの死生観&創造性」「人間から見た生命」の5つのテーマのもと、参加者が自らつくり、提案した構想と作品を紹介しています。加えて、本プログラムの共同ディレクションを行う東京大学大学院総合文化研究科 池上高志研究室による、「あらゆるものに生命性をインストールする」ミッションに基づいて制作された作品群も展示します。共創のプロセスをご覧いただくとともに、「AIは生命になり得るか?」という問いかけに対する、それぞれの視点や方法による応答をお楽しみください。

出展作品:

・「共に在るためのゆらぎ 〜脱人間中心主義に向けて〜」メンバー:Nishikata、Eriko、Nanami
・「存在しない知性」メンバー:岡田理央、神楽坂やちま、坂本香子、Joanna Lyu、高槻美羽、湯谷承将
・「認識の層をめくる」 メンバー:加藤優、関裕保、tanka、Lily Okamoto、楊婷舒
・「モノのあはれ」 メンバー:安藤祐介、えんぬ、加藤夢生、吉田佳寿美
・「While You’re Busy Making Other Plans」 メンバー:出野実、北川麗

・東京大学大学院総合文化研究科 池上高志研究室「Alter3」
・Alternative Machine Inc.「plantbot」
・johnsmith + 池上高志「johnbot」

キャンプ参加者:

・三木瑛里子(会社員)
・西片健郎(システムアーキテクト)
・Joanna Lyu(学生、クリエイター)
・関裕保(学生、クリエイター)
・高槻美羽(学部生)
・Lily Okamoto(アーティスト)
・岡田理央(DX consultant)
・湯谷承将(メイカー、オーディオプログラマー、ソフトウェアエンジニア)
・楊婷舒(桑沢デザイン研究所学生、国立研究機関テクニシャン)
・水田七海 (学生)
・後藤章友(クリエイティブディレクター/CoUen)
・加藤夢生(博士学生)
・北川麗(アーティスト)
・安藤祐介(ソフトウェアエンジニア、特定非営利活動法人みんなのコード CTO)
・坂本香子(宇宙戦略本部長/株式会社スペースデータ)
・神楽坂やちま(医師、考える人)
・tanka(デザイナー)
・出野実(大学院生)
・加藤優(エンジニア、クリエータ/dot-hzm)
・えんぬ(大学院生)
・吉田佳寿美(グラフィックアーティスト)
・三浦星イレナ(学生)
・林祐輔(研究者、AIアライメントネットワーク理事)

プログラムディレクター

・升森敦⼠(人工生命研究者、東京大学大学院特任研究員/Alternative Machine Inc. 代表取締役)
・土井樹(Alternative Machine Inc. シニアリサーチャー、学術博士)

講師・ファシリテーター

・Alter3
・池上高志(理学博士(物理学)、東京大学広域システム科学系 教授)
・江間有沙(東京大学国際高等研究所 東京カレッジ准教授、理化学研究所 革新知能統合研究センター 客員研究員)
・キョウダカンジ(AIファッション・リサーチャー)
・johnsmith(アーティスト、研究者)
・長見佳祐(HATRA/ファッションデザイナー)
・Playfool(デザイナー、アーティスト)
・堀川淳⼀郎(プログラマー、アルゴリズミックデザイナー)
・丸⼭典宏(Alternative Machine Inc. シニアリサーチャー、東京大学大学院特任研究員)
・Martin O’Leary(スタジオ・コミュニティ責任者/Pervasive Media Studio)
・吉田崇英(東京大学池上高志研究室博士課程)
・Rachel Smith(アーティスト、ソフトウェアエンジニア、クリエイティブテクノロジスト) 

三木瑛里子Miki Eriko

会社員

京都産業大学F工房で学生ファシリテーターとしてキャリア教育や学生寮研修開発に従事し、ワークショップデザインに興味を持つ。その後、慶應大学大学院メディアデザイン研究科に進学し、IT政策を研究。IT企業勤務を経て現在はイベント会社のDX部門にて生成AIのガバナンスを担当。社会人生活の傍ら、人生の問いを対話ワークショップにする活動としてこれまでに「恋のはじまり研究所」「恋愛白熱学会」を牽引。未来の運動会にて「デベロップレイ」の概念に感銘を受ける。自分も含めたいろんな人が幸せでいる場づくりを目指してデベロップレイ中。

西片健郎Nishikata Takeo

システムアーキテクト

専門はテクノロジーによる社会経済インフラのデザイン。数学的にネットワークやグラフやゲームで表現される対象に幅広く関心がある。著書に『Trusted Data』(共著、2019年、MIT Press)。

Joanna LyuJoanna Lyu

学生、クリエイター

ゲームデザインを背景に持つクリエイティブテクノロジーとマルチメディアアートの実践を行う。インタラクティブな仮想環境やCGI、視聴覚ライブパフォーマンス、インスタレーションを制作し、人間、公共空間、そして深い社会的な問いのつながりを探る作品に焦点を当てる。南カリフォルニア大学シネマティックアーツ学部でインタラクティブメディアとゲームデザインを学び、現在はIAMAS修士課程2年(M2)に在籍中。

https://www.joannalyu.com

関裕保Hiroyasu

学生、クリエイター

現在、クリエイティブリーダーシップを専攻し、創造性を活かしたリーダーシップの育成を研究中。同時に、TouchDesignerやUnreal Engineを用いたメディアアートやインスタレーション作品の制作に取り組む。これまで学内展示会で「CGが織りなす対話と創造」や「NatureTech(自然とテクノロジー)」をテーマに作品を発表し、2024年「あそびの未来ファクトリー」では実装賞を受賞。将来は、自身の手で人々に常にワクワクを提供できるクリエイターを目指している。

高槻美羽Takatsuki Miu

学部生

現在、Goldsmiths, University of Londonでコンピュータサイエンスを学びながら、表現者としての創造性と研究者としての探究心を両立することを目指している。人間の本質や残すべきエッセンスを探りながら、言語、身体、時間の制約を取り払う方法を妄想中。またその世界線をシミュレーションするモデルを開発したいと思っている。人間として、生命として経験できるすべてを楽しみ、味わい尽くすことが趣味。

Lily OkamotoLily Okamoto

アーティスト

Lilyは2022年にITの仕事を離れ、資本主義的なリニア社会に問いを投げかける形でアーティストとしての道を歩み始めた。それまでクリエイティブな仕事に従事していたものの、ステークホルダーに合わせた物作りが何かを「弄んでいる」ように感じていた。Lilyの人生は常に「許可を待たない」ものであり、その選択肢が時に苦悩を生むこともあった。しかし、AIとともに制作を進める中で何かを突破した瞬間を感じ、それが今のアートの自由な表現に繋がっている。現在は三重を拠点に、クリエイティブライティングや抽象画の制作を行っている。

https://www.lilyokamoto.com/

岡田理央Okada Rio

DX consultant

大学卒業後コンサルティング会社に入社。主にDX領域でコンサルティングを担当する傍ら、かねてより関心のあった人工生命の研究活動を立ち上げ。ゆくゆくは自律的に現実世界の人間に対してアクションを取るシステムを構築することを目指し活動中。またテクノDJとしても活動中。

湯谷承将Yutani Tsugumasa

メイカー、オーディオプログラマー、ソフトウェアエンジニア

東京都出身。筑波大学大学院情報学学位プログラム修了。パナソニック株式会社やAlphaTheta株式会社(元Pioneer DJ)で主に先行開発/要素技術開発を行うエンジニアとして勤務。音や音楽に興味があるエンジニア、メイカーで自作の楽器やデバイスを用いて演奏や制作活動を行う。Cycling’74 Maxをこよなく愛する。

https://tsugumasa320.github.io/

楊婷舒Yang Tingshu

桑沢デザイン研究所学生、国立研究機関テクニシャン

中国出身。北里大学大学院海洋生命科学研究科で分子生物学・生理学を学び、在学中に魚類の体色調節に関する研究を行ったことがきっかけで、ビジュアルデザインの自主制作を始める。現在、国立医薬品食品衛生研究所・再生細胞医療製品部で細胞培養を中心にラボテクニシャンとして勤務。並行して桑沢デザイン研究所の夜間部ビジュアルデザイン専攻で学んでいる。趣味はカプセルトイや交通系ICカードの収集。

https://linktr.ee/yo_teision

水田七海Nanami

学生

大学ではHCI(Human Computer Interaction)を専攻。大学ではポスト労働社会における共同体システムを研究。テクノロジーによってありたい未来を考え、シナリオ作成や言語化に取り組んでいる。

後藤章友Goto Ayato

クリエイティブディレクター/CoUen

2018年よりフリーランス映像クリエイターとして活動を開始(屋号:CoUen)。企業向け動画制作を多数手掛け、2022年には製造業特化型営業支援サービスを展開する企業に中途入社。メディア事業に従事し、コンテンツマーケティング、メディア運用、コンテンツ制作を担当。数々のプロジェクトを通じて培った知見をもとに、オウンドメディアのコンセプト開発やSNS運用、ブランディングディレクションを行い、現在もCoUenとして活動を続ける。

https://drive.google.com/file/d/1hndqBgZ5WsZUK7vafnc9OfSzdC0aolFf/view?usp=drive_link

加藤夢生Kato Mui

博士学生

芸術・文化領域における人間と技術の交点について、音楽学(特に民族音楽学、及び、ポピュラー音楽研究)、メディア論、文化社会学の学際的観点から探求している。博士研究ではポストヒューマニズム的関心から、AIを用いたポピュラー音楽制作過程における人間とAIシステムの相互構築的関係性について、ライブ性概念を軸にソフトウェアスタディーズの方法論を用いて調査を行っている。また、研究の傍ら、人文的研究知をアカデミズムの枠を越えて活かす方法を模索している。ロンドン大学ゴールドスミス校音楽学部博士課程在学中。

https://researchmap.jp/mikt

北川麗Kitagawa Urara

アーティスト

2001年、京都府生まれ。個人的な経験や社会的問題から生じる内面的な感情や葛藤を掘り下げ、それらを美術表現として昇華させることで、普遍的な価値観を描き出すことを目指している。幾何学的な抽象形態や有機的なフォルムと、色彩の調和を通じて、感情の繊細な揺らぎや物語性を視覚的に表現。作品には確かな存在感と心に残る余韻が宿るよう心掛けている。現在、嵯峨美術大学大学院芸術研究科修士課程に在籍。日本画の伝統技法を基盤に、異素材の組み合わせや現代的テーマの融合を通じて、固定観念や時代の枠組みを超えた新たな表現を追求している。

https://ktgwurr.wixsite.com/portfolio

安藤祐介Ando Yusuke

ソフトウェアエンジニア、特定非営利活動法人みんなのコード CTO

テクノロジーを駆使し社会課題解決に取り組むエンジニアであり教育者。楽天やMetaなど国内外のIT企業を経て、現在はNPO法人みんなのコードのCTOとして子供たちのテクノロジー教育に注力。「ジャングルジム」のような多様なキャリアを推奨し、地域格差解消やコミュニティ活動にも積極的に取り組む。共著に『学校の生成AI実践ガイド』(2023年、学事出版)等多数。 ビジネス・ブレークスルー大学准教授、清泉女子大学特任准教授。

https://linktr.ee/yandod

坂本香子Sakamoto Kaoruko

宇宙戦略本部長/株式会社スペースデータ

大学卒業後、2017年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)に入社。ISS退役後を見据えた宇宙ステーションの官民連携プログラムを推進。NASAやESA等とのISS国際パートナーとの宇宙利用における国際調整を主導するとともに、Artemis計画の一環として整備が進む月周回有人拠点の日本分担のプロジェクト立ち上げを担当。2024年よりスペースデータの宇宙戦略本部長として、宇宙空間をデジタル上に再現する取り組みを推進。宇宙や生命が自律的に発展したモデルを理解し、自らの手で「再現」することを目指す。

https://www.wantedly.com/id/kaoruko_sakamoto

神楽坂やちまKagurazaka Yatima

医師、考える人

医師のかたわら、「AIの指数関数的進歩」と「人間との多様な共存繁栄」の両輪を加速させるべく、創作や研究など手段を選ばず活動中。2024年12月に執筆したOpenAI o3の考察記事は、note.comのAIカテゴリの累計ランキングにおいて、公開からわずか数日で20万件中20位以内にランクイン。また、「AIを研究するAI」の一部分の効率を一桁以上高める手法を発見し、論文執筆中。異能vationGAノミネート。

https://x.com/Yatima_K

tankatanka

デザイナー

2003年生まれ、茨城出身のDJ、デザイナー、大学生。 DJとしての活動では主にElectronicaを好んでプレイ。また、デザイナーとしても、フライヤーなどのグラフィックから、大学での研究で開発しているゲームUIの制作までビジュアル領域を中心に活動。大学ではメタ認知に対してゲームを用いることで能力を向上するアプローチについて研究している。 Globel Game Jam 2024 Jeonjuでは、個人賞を受賞。

出野実Minoru Luke Ideno

大学院生

「起業家 0.8.3 (β版)」を自称する23歳。「起業家 1.0(安定版)」を目指し、鋭意デバッグ中。 東京大学大学院工学系研究科修士2年。 阿蘇山の噴火予測をAI(機械学習)で行う研究をしている。

https://minoluke.github.io/portfolio/

菅野禅Kanno Zen

学生

高校卒業後、大学に進学せず個人で研究を行い、研究会や学会へ論文を投稿、発表を行う。デジタル化されたデータの記録と、その有効活用に向けて、マルチモダールAIやオントロジー工学などの情報学技術を応用した研究開発を進めている。

加藤優Kato Yu

エンジニア、クリエータ/dot-hzm

1998年東京都出身。モノ、空間、まちが持つ文脈に新たな視点をもたらす仕組みを、人工知能や人工生命の技術を用いて創出する。「思想より実装」をモットーに、ファッション、建築、エンジニアリングの枠を超え、楽しく表現活動を展開。未踏スーパークリエイタ。主な受賞歴として、生成AIを用いたリメイクデザインシステム「HIZUMI」や、東京の下町・京島に1ヶ月間AIを設置したプロジェクト「まちに擬態したいAI」により、GOOD DESIGN NEW HOPE AWARD 優秀賞を受賞している。

えんぬenne

大学院生

武蔵野美術大学大学院造形構想研究科在籍。 創造的思考力を軸に、サービスデザインやデザインビジネスを研究、表現方法を探求中。

吉田佳寿美Yoshida Kathmi

グラフィックアーティスト

海外のストリートアートやミューラルにインスピレーションを受け、都内を中心にオフィスや店に数々のウォールアートを絵画する。USやシンガポールなど海外個展やイベントにも出演。リアルとテックを織り交ぜ、イラストレーションからデフォルメ、デザインまで見た物を応用して新しく作り出し、美しさや魅力的な理想を追い求める。2023年、ワールドAIグランプリAI天使賞、第二回AIアートグランプリ佳作(審査員長/東大教授 河口洋一郎)受賞、2024年、国立新美術館 登壇ディスカッション「クリエイティブ x AIの未来」、雑誌取材『pen』、東京駅前大型書店丸善個展『生成AIは地獄か、極楽か。』

https://kathmi.com

三浦星イレナHoshi Irena

学生

2002年生まれ。東京藝術大学先端芸術表現科学部3年在籍。日本人の母、ポーランド人の父を持つ。幼少期から自分の身体やアイデンティティに強い違和感を感じていたことから、「異形」に親近感と憧れを抱くようになる。 高校卒業後、ポーランド人の祖母と初めて対話したことをきっかけに“ 非規範的な愛の言葉 ” の話し手として、ロボットの制作を始める。2024年、ロボット演劇のためのチーム「B-FAX」を結成。最近では、キネティックな媒体を通して、ある個人の存在や意志を保存し、未来へ継承することを試みている。

林祐輔Hayashi Yusuke

研究者、AIアライメントネットワーク 理事

エージェントの数理的/物理的構成に強い関心を持つ。大学院在籍時には初期宇宙やブラックホールの内外における量子もつれをテーマに研究を進め、「観測者は物理モデルとして位置づけられていない」という問題意識を抱く。その後、日本銀行に就職。経済主体—すなわち国民や企業—の合理的な意思決定モデルがいまだ確立されていない現実を痛感する。現在はAIアライメントネットワークの一員として、人間とAIエージェントが共生的に振る舞う条件(共生的アライメント)を探究。京都大学の谷口忠大教授が提唱する「集合的予測符号化」を用いながら、人間とAIが対等に相互作用し、適切な意思決定を分かち合える社会のデザインに寄与すべく研究を続けている。

升森敦⼠Masumori Atsushi

人工生命研究者、東京大学大学院特任研究員、Alternative Machine Inc.代表取締役

人工生命の領域で、主に、培養神経細胞や植物などの生体とロボットをつなげたハイブリッドシステムやヒューマノイドロボットを用いて、自律性、Agencyに関するテーマで研究を行うとともに、デジタルファブリケーションの領域でも自己組織的にかたちが組み上がるセルフアセンブリシステムの研究を行っている。人工生命の理論、AI、デジタルファブリケーションやブロックチェーンの技術などを統合することで人工生命を社会に実装することを目指す。エンジニアとしても多数のアート作品の制作やシステム開発に参加している。



土井樹Doi Itsuki

Alternative Machine Inc. シニアリサーチャー、学術博士

1989年、兵庫県生まれ。研究者/音楽家。大学にて分子生物学を学んだ後、人工生命(Artificial Life)の研究に従事。 人工システムを含む「他者」の経験を「他者の経験」として理解する手段をテーマに研究するとともに、アート/音楽作品の発表を行っている。 主な展示に「MONAURALS」(2023年、WHITEHOUSE、東京)、「海の見方を忘れた」(2022年、JINNAN HOUSE、東京)、「ALTERNATIVE MACHINE」(2021年WHITEHOUSE、東京)、「Bee Wee」(2021年、TALION GALLERY、東京)。主な音楽作品に「Peeling Blue」(2017年、CD)。また近年は、映像や舞台のための音楽/音響システム制作も行っている。

https://cotofu.com/

オルタ3Alter3

ヒューマノイド

東京大学池上高志研究室と大阪大学石黒研究室の共同プロジェクトにおいて開発される。シリーズ3台目であるオルタ3では、より人間的な認知・動きへの追求に注力。近年は、大規模言語モデル(LLM)との組み合わせから、ヒューマノイドにおける自律性や身体性、自己意識などが主な研究対象である。音楽家や能楽師とのコラボレーションや国際的な展覧会への出展など、多様な活動を通じて、ロボットと生命の関係性について思考を促すことに取り組む。CCBTのキャンプ「Future Ideations Camp Vol.5:AIは生命になり得るか?」では、初の試みとしてレクチャーに登壇する。

池上高志Ikegami Takashi

理学博士(物理学)、東京大学広域システム科学系 教授

複雑系の科学・人工生命を専門とする。著書に、『動きが生命をつくる』(2007年、青土社)、 『人間と機械のあいだ』(共著、2016年、講談社)、『作って動かすALife ―実装を通した人工生命モデル理論入門』(共著、2018年、オライリージャパン)など。またアート活動として、「filmachine」(2006年、with 渋谷慶一郎、YCAM)、「ScaryBeauty」(2018年、with 渋谷慶一郎、未来館)、「傀儡神楽」(2020年、Mutek Japan)、「MTM2」(2023年、with Alternative Machine Inc.、東京大先端研)など。

江間有沙Ema Arisa

東京大学国際高等研究所 東京カレッジ准教授、理化学研究所 革新知能統合研究センター 客員研究員

東京大学国際高等研究所東京カレッジ准教授。2017年1月より国立研究開発法人理化学研究所革新知能統合研究センター客員研究員。専門は科学技術社会論(STS)。人工知能やロボットを含む情報技術と社会の関係について研究。主著は『AI社会の歩き方-人工知能とどう付き合うか』(2019年、化学同人)、『絵と図で分かるAIと社会』(2021年、技術評論社)、『分身ロボットとのつきあい方』(2024年、岩波書店)。

https://sites.google.com/g.ecc.u-tokyo.ac.jp/ema/

キョウダ カンジKyoda Kanji

AIファッション・リサーチャー

2000年東京都荒川区生まれ。主に生成系ーファッション表現の可能性を研究する。高校在学中から衣装制作を行い、近年ではAI・デジタルファッションをテーマにした展示会「光染」をUltraSuperNew Gallery 表参道で主催、Miaki Gallery 西麻布でのグループ展「人形と仮想: figure and virtual」に参加。2024年より活動の幅を広げ映像制作/編集、講義、開発サポートを行っている。現在、HATRAの一員としてリサーチ業務等に携わる。

https://www.instagram.com/kanjikyoda/

johnsmithjohnsmith

アーティスト、研究者

美術大学を卒業後、芸術の非言語的性質に興味を持ち、物理学を背景にもつ東京大学池上高志研究室へ入学し、“いずれ科学が、そして人文知が到達するものとしての芸術”をテーマに活動する。哲学や科学的解析ではアプローチできない非言語的な領域に対し、それを形にする手段として芸術を用いる。2023年大阪大学中之島センター「人工知能時代の芸術:創造性・ 影響・課題」シンポジウム登壇、2019年ドイツのZKMにリサーチのために滞在。東京大学総合文化研究科博士課程、学術専門職員。東京藝術大学非常勤講師。ALTERNATIVE MACHINE Inc.所属。

http://johnsmithstudios.com/

長見佳祐Nagami Keisuke

HATRA/ファッションデザイナー

1987年広島生まれ。株式会社波取/HATRA 代表。2006年パリでクチュール技術を学び2010年に帰国後HATRAを設立。衣服を境界状況的な空間と捉えた「リミナル・ウェア」を提案する。3Dクロスシミュレーション、生成AIを始めとするデジタルテクノロジーに基づくデザイン手法を確立し、様々なリアリティが溶け合う身体観についてリサーチする。

https://hatroid.com

PlayfoolPlayfool

デザイナー、アーティスト

Playfoolは、ダニエル・コッペン(英国)とマルヤマサキ(日本)によるアート・デザインユニット。あそびを媒介に、社会とテクノロジーとの関係性に介入する。実践手法は、プロダクトの制作から、インスタレーション、マルチメディア制作と幅広く、あそびの内省的で探索的な特性を強調しながら、テクノロジーと批判的に関わるスペースを創り出す。作品はロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館やウィーンのオーストリア応用美術博物館(MAK)などで広く展示されている。

https://studioplayfool.com

堀川淳⼀郎Horikawa Junichiro

プログラマー、アルゴリズミックデザイナー

1984年東京⽣まれ。Columbia University GSAPP AAD修了。幾何学や⾃然の⽣態をヒントに、アルゴリズムを利⽤した様々な形態の⽣成・研究を⻑年⾏っている。現在Youtube上で定期的にアルゴリズミック‧デザインに関するチュートリアルライブ配信や動画を上げている。主な受賞歴に2019年 The One ShowのGold Pencil、第23回メディア芸術祭アート部⾨優秀賞など。現在は合同会社Orange Jelliesの代表を務めながら、東京大学と京都工芸繊維大学の特任研究員を兼任している。主な著書に『Parametric Design with Grasshopper』(2017年、ビー・エヌ・エヌ新社)『Algorithmic Design with Houdini』(2019年、ビー・エヌ・エヌ新社)がある。

https://youtube.com/@JunichiroHorikawa/

丸⼭典宏 Maruyama Norihiro

Alternative Machine Inc. シニアリサーチャー、東京大学大学院特任研究員

1984年長野県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修了。学術博士。 人工生命の領域において、システムの大規模化がもたらす集団の機能分化や群れの自律性に興味を持ち、スーパーコンピューターなどを用いた群れの大規模シミュレーションなどを行ってきた。また、大学内外でアート作品制作やシステム開発業務にハードウェア・ソフトウェア両面から主に技術スタッフとして携わる。共著書に『作って動かすALife ―実装を通した人工生命モデル理論入門』(2018年、オライリージャパン)がある。

マルティン・オリーリMartin O’Leary

スタジオ・コミュニティ責任者/Pervasive Media Studio

ソフトウェア開発、学術研究、展示デザインの仕事を経て、2019年にWatershed(イギリス・ブリストル)に加わる。Pervasive Media StudioのStudio Community Lead(スタジオ・コミュニティ責任者)として、約200名のアーティスト、テクノロジスト、学者、活動家達が所属するコミュニティをサポートしている。初期段階のプロトタイピングや、制作を通じた思考、また、私たちが想像する未来像にテクノロジーがどのように影響するかに特に焦点をあてて活動している。

吉田崇英Yoshida Takahide

東京大学池上高志研究室博士課程

1999年、東京生まれ。慶應義塾大学物理学科卒業。現在は東京大学 池上高志研究室 博士課程に在籍。ヒューマノイドロボットAlter3と大規模言語モデルを組み合わせ、自律的な運動生成やロボットの自己認知について研究している。また、2020年より東京藝術大学 名誉教授 長谷川祐子氏のリサーチアシスタントを務めており、キュレーションも行う。東京大学大学院 広域科学専攻 奨励賞受賞(2023)。主な展示活動として、金沢21世紀美術館 「DXP(デジタル・トランスフォーメーション・プラネット)─次のインターフェースへ」展(2023)。

レイチェル・スミスRachel Smith

アーティスト、ソフトウェアエンジニア、クリエイティブテクノロジスト

アーティスト、ソフトウェアエンジニア、クリエイティブテクノロジストとして活動し、ユーモラスな装置を用いたパフォーマティブ・インスタレーションを制作している。新興技術、あるいは一般に普及する技術を、批判と親しみ双方の眼差しをもって問い直し、人間と機械の関係性への関心から、物理的・デジタル的な環境や他者とのつながりを生む有意義なインタラクションの創出を目指している。作品はこれまでに、Science Gallery Melbourne(オーストラリア・メルボルン)、アルスエレクトロニカ(オーストリア・リンツ)、ティーアガルテン美術協会(ドイツ・ベルリン)やアムステルダム・ノールト(アムステルダム北地区)など世界中で展示されている。ワイマール・バウハウス大学にてメディアアートの修士号(MFA)を取得。イギリスのSouth West Creative Technology Networkプロジェクトでは、オートメーション分野のフェローを務めた。現在、ブリストルの「Pervasive Media Studio」にて、滞在作家として活動している。

https://rachelsmith.xyz/about.html
主催
東京都、シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT](公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京)

共同ディレクション:東京大学大学院総合文化研究科 池上高志研究室 連携:Watershed