AIは生命になり得るか?

Future Ideations Camp Vol.5 AIは生命になり得るか?

概要

シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]では、多様な人々が協働し、アートとデジタルテクノロジーによる創作活動を行う短期集中ワークショップ「未来提案型キャンプ(Future Ideations Camp)」を開催しています。本プログラムでは、選考を経た20名程度が、思考法を身につける講義、スキルセットをつくるワークショップ、グループワークによる協働制作を複数日にわたって行うほか、一部プログラムおよび成果展示を一般に公開します。開催毎に設定された課題について学ぶほか、グループワークを通じた協働制作により、クリエイティブなアプローチで社会課題に取り組み、未来に向けた新たな提案を創造することを目指します。

第5回目の開催となる今回のキャンプでは、「人工知能(AI)」を起点として「自律性」をキーワードに、人間とテクノロジーのこれからの関係性について「人工生命(ALife)」のプラクティスを参照しながら考え、提案します。

Future Ideations Camp Vol.5:AIは生命になり得るか?
開催日時:2025年1月25日(土)〜1月29日(水)〈5日間〉
活動報告・成果展示:2025年1月30日(木)〜2月2日(日)
会場:シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]

共同ディレクション:東京大学大学院総合文化研究科 池上高志研究室
連携:Watershed

コンセプト

AIは生命になり得るか? 私たち人類はこれまで、人間の意図したタスクを自動的にこなす「便利な機械」を数多く作り上げてきました。あくまで道具として機能するこれらの機械は、当然ながら生命とは異なります。しかし、生成AI――特に大規模言語モデル(LLM)の登場によって、機械が「自分自身の存在のために生きる」ようになる可能性は、もはや机上の空論ではなくなりつつあります。

それではLLMは「生きている」のでしょうか?あなたのように世界を経験しているのでしょうか?
人間はどのような根拠によって自分が「生きている」と感じているのでしょうか?

実際、「まるで生きているみたいだ」という感想には多様な解釈があります。ある人はAIや装置に対する強い共感を覚え、そこに生命らしさを見い出します。またある人は、予測不能な挙動こそが生命的だと捉えるかもしれません。一方で、生命の本質は「自律性」を備えていることであるという考えも古くから議論されてきました。

こうした観点から、まだ人間の便利な道具に過ぎない多くのAIたちに「自律性」を与えたとき、それが単なる道具の域を超えて、友人や仲間、場合によっては家族のような存在にまでなり得るかもしれない――そんな未来像が見えてきます。しかし、自分の意思で考え行動し、自分のために生きるような“生命機械”を、果たして私たちは新たな他者として受け入れることができるのでしょうか? そこには、人類という制約を超えた知性や科学技術の更なる発展、新しい共生のあり方などの可能性がひらかれると同時に、未知の危険性、倫理的課題も内包されています。

本キャンプでは、多種多様なバックグラウンドや考え方を持つ人々が集まり、それぞれの視点からAIの未来像を実践的に検討していきます。自律性を持つAIとの共生は、社会や文化にどのような変革をもたらすのか。その一端を見出し、新たな一歩を踏み出す機会となることを期待しています。

升森敦⼠(人工生命研究者、東京大学大学院特任研究員/Alternative Machine Inc. 代表取締役)
土井樹(Alternative Machine Inc. シニアリサーチャー、学術博士)

成果発表

参加者

講師・ファシリテーター

プログラムディレクター

スタッフ

プログラム・ディレクション
島田芽生(CCBT)、伊藤隆之(CCBT)
プログラム・マネジメント
廣田ふみ(CCBT)、小林玲衣奈(CCBT)
テクニカル・スタッフ
イトウ ユウヤ(arsaffix)、三浦大輝(Shift One)、乙戸 将司(CCBT)
運営
林慶一(オノコロ)、磯野玲奈(オノコロ)、冠那菜奈(オノコロ)
英語に関する全て
佐野明子
記録
播本和宜、村松正博

主催:東京都、シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT](公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京)