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アート・インキュベーション

楊いくみ Scratchpad #1 「上見て、下見て、向こう見る:なぜパフォーマンス作品を1000年前の絵画からつくりはじめるのか?」

2026.10.16(金)
オンライン、シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]3F BASE
 
開催日時
2026年10月16日(金) 19:00-20:30(開場18:45〜)
会場
オンライン、シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]3F BASE
対象
どなたでも
定員
オンライン:なし、CCBT会場:25名
参加費
無料
事前申込
CCBT会場での参加のみ、要申込・先着順。

登壇者:楊いくみ(アーティスト)、蔵屋美香(横浜美術館館長)

2026年度アーティスト・フェローである楊いくみによるプロジェクト「早春図」の活動の一環として、さまざまな専門家を招いた公開リサーチシリーズ「Scratchpad」を開催します。
第一回目のゲストには、横浜美術館館長・蔵屋美香氏を迎えます。
パフォーマンスを「人のいる風景画」と捉え、観客、パフォーマー、都市、映像、音響などが重なり合う状況をつくり出してきた楊。本プロジェクトでは、その実践を原宿・渋谷という都市へと展開しながら、社会や都市、衣服、身体をめぐる複数の関係について考察していきます。

北宋の画家・郭熙による《早春図》には、「高遠・深遠・平遠」と呼ばれる複数の遠近表現が、一枚の画面のなかに共存しています。ひとつの固定された視点から風景を見渡すのではなく、視線の移動とともに異なる距離や場所、時間が立ち現れていきます。

複数の場所や出来事が同時に存在し、絶えず接続されている現在において、私たちはどのように世界を捉えることができるのでしょうか。また、「個人」を独立した主体としてではなく、他者や環境、さまざまな関係のなかから立ち現れるものとして考えることはできるのでしょうか。

本公開リサーチでは、国内外の現代美術を長年にわたり見つめてきた横浜美術館館長・蔵屋美香氏を迎え、アーティストの楊いくみとともに、郭熙《早春図》をひとつの出発点として、「見ること」と「世界のなかにいること」について考えます。美術史上の《早春図》を専門的に読み解くことだけを目的とするのではなく、複数の視点、複数の距離、異なる時間や出来事がひとつの場に共存するという感覚を、現代の美術や社会へとひらいていきます。

こうした問いから、楊が制作を進める《早春図》を見つめ、複数地点をつなぐ視点や、「来るかどうかわからない春を待つ」という時間の感覚とも接続しながら、単一の視点には回収されない世界の捉え方を探ります。

どなたでもお気軽にお越しください。

郭熙《早春図》1072年、国立故宮博物院(台北)所蔵
Image: National Palace Museum, Taipei, CC0

参加方法について

参加方法は、オンライン配信、または現地会場(CCBT)の2種類があります。

・現地会場での参加

会場での参加は要申込です。下記のリンクボタンよりフォームにてお申込みください。

・オンライン配信での参加

お申込みは不要です。開始時間に以下からアクセスし、ご覧ください。

プロジェクト「早春図」


ファッションは自己表象に有効な装置として信じられているが、「選択すること」と「与えられること」の境界は今日も存在するだろうか——という問いを起点に、東洋絵画の遠近法「三遠(高遠・深遠・平遠)」の概念を方法論として都市空間に投影したパフォーマンス・インスタレーションを展開する。同時多発的に分散して立ち上がる状況群は、一つの出来事としてリアルタイムで編み直され、公開される。演者と鑑賞者の境界を揺るがしながら、冬の時代にある自己の先に訪れる「早春」の風景を探る。


CCBT「アート・インキュベーション・プログラム」とは

CCBTのコアプログラムのひとつである「アート・インキュベーション」は、クリエイターに新たな創作活動の機会を提供し、そのプロセスを市民(シビック)に開放することで、都市をより良く変える表現・探求・アクションの創造を目指すプログラムです。公募・選考によって選ばれる5組のクリエイターは、「CCBTアーティスト・フェロー」として、企画の具体化と発表、創作過程の公開やワークショップ、トークイベント等を実施し、CCBTのパートナーとして活動します。

撮影:加藤甫

蔵屋美香Kuraya Mika

横浜美術館館長/キュレーター

千葉県生まれ。女子美術大学卒業、千葉大学大学院修了。東京国立近代美術館勤務を経て、2020年より横浜美術館館長。主な企画に、「ぬぐ絵画:日本のヌード 1880–1945」(2011–2012年、東京国立近代美術館/第24回倫雅美術奨励賞)、第55回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館(2013年、田中功起「abstract speaking: sharing uncertainty and collective acts」/特別表彰)、「おかえり、ヨコハマ」(2025年、横浜美術館)ほか。漫画家・暗☆闇香としても活動中。

楊いくみYang Ikumi

アーティスト

1993年、東京生まれ。10歳までを8ヶ国で過ごす。インスタレーション、パフォーマンス、映像、テキストを横断し、鑑賞者の移動や知覚を含めた空間的な作品を制作している。絵画の遠近法に着想を得て、複数の視点、距離、時間が交差する場を構成しながら、見ること、居ること、記録されることの関係を組み替えていく。出来事と記録、日常と儀礼、個人の身体と共同的な場のあいだに生じるトランジションを、空間的な経験として立ち上げる。

企画・制作
楊いくみ
主催
東京都、シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT](公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京)