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​​アーティスト・フェロー活動レポート -街を舞台にしたAR展覧会(浅見和彦+ゴッドスコーピオン+吉田山)

東京から世界をインスパイアする新たなアート表現の創造・研究開発を行う「アーティスト・フェロー」では、選出されたフェローに制作費のサポート、スペース・機材提供、専門家によるアドバイス等を受け、企画を具体化し都内で発表を行います。また、CCBTにおけるワークショップの実施、レクチャーの講師を務めることなどを通して、CCBTを共につくりあげます。

ARやVRといったXR(クロスリアリティ)を用いた作品を制作している浅見和彦+ゴッドスコーピオン+吉田山のチーム。今回のプロジェクトでは、ヴィジュアルアーティストのみならず、建築家やファッションデザイン領域、音楽家とも連携した展覧会を実現し、渋谷の街を舞台にXR技術を用いた都市型国際展の開催を目指します。 担当するメンターは齋藤精一氏(パノラマティクス主宰)、竹川潤一氏(一般社団法人 MUTEK Japan 理事)です。CCBTでの経過発表では、これまで設計してきた企画をもとに具体的な展覧会プランが発表されました。

XRで渋谷に展覧会を実装する

展覧会のタイトルは「AUGMENTED SITUATION D」。鑑賞者や参加者が、拡張された「D」の意味はなにかを考える余白があるタイトルです。

展覧会メインビジュアル。様々なDの形が都市の建築のように折り重なっている(デザイン:奥田奈保子)

展覧会では「渋谷の街」をモチーフに、ARをはじめとしたXR技術を用いた作品群が集まります。デジタル社会に批評的な視点を持つSimon Weckert(ドイツ)や、デジタルとアナログを横断して古来の神話とテクノロジー間を探求するMarkus Selg(ドイツ)の参加が決まり、国際展として強度が増してきました。Simonはゲーテ・インスティチュート東京の支援もあり、初来日して滞在制作も行います。

Simon Weckertの初期スケッチ/都市の「大気汚染」をテーマに、渋谷フクラス内の観光案内所「shibuya-san」にて展示。リアルタイムに大気の状況が可視化される作品を発表。

出展作家は多岐に渡ります。建築家チームの「GROUP」のほか、「ALTEMY」「suzuko yamada architects」、米国から「ANY」が参加。音とキャラクターにXR技術をあわせて新しいアニメーション体験を生み出す「KODAMATACHI」、VRを中心とした表現を行うメディア・アーティストの「God Scorpion」など。XR技術と彫刻や平面作品と掛け合わせたハイブリッドな作品を鑑賞でき、出展作家のジャンルもハイブリッドとなっています。

「KODAMATACHI」は展覧会に先だって、メンバーの三好優夏と小松千倫が講師となり、都内の小学生たちを対象とした「ARと合唱する!声楽ワークショップ」を開催しました。その成果として収録された楽曲『翼をください』の合唱を、同じくメンバーの米澤柊の描いたキャラクターが空に舞い歌い上げます。

開催されたワークショップの様子

面談では「移動を伴いフィールドワークの要素もあることで企画が深まった」「渋谷に集まる多種多様な人々をどう巻き込むかが重要」といった意見が交換されました。

「AUGMENTED SITUATION D」

会期:2023年3月10日(金)~3月21日(火・祝)月曜休館
会場:シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]、shibuya-san(渋谷フクラス 1F)、その他渋谷区内各所でAR作品を鑑賞いただけます。
鑑賞時間:CCBT 13:00〜19:00/shibuya-san(渋谷フクラス 1F)10:00〜20:00
休館:月曜日(会期中の月曜日(3月13, 20日)は、作品等メンテナンスにつき鑑賞できません)
料金:入場無料
主催:シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]
協力:ゲーテ・インスティトゥート東京、STYLY、東京クリエイティブサロン実行委員会事務局
協賛:intel® Blue Carpet Project、株式会社日本HP
http://augmented-situation-d.org/
※最新情報は公式ウェブサイトをご参照ください。

2022年度 CCBTアーティスト・フェロー 活動報告会

日時:2023年3月21日(火・祝)15:00~19:00
会場:シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]
プレゼンター:犬飼博士(未来の東京の運動会) 平本知樹(FORMING SPHERES) Tomo Kihara + Playfool(Deviation Game ver 1.0) 浅見和彦 + ゴッドスコーピオン + 吉田山(Augmented Situation D) SIDE CORE(rode work ver. under city)
ゲスト登壇者(本プログラムメンター): いすたえこ(アートディレクター・グラフィックデザイナー) 岩屋民穂(グラフィックデザイナー) 齋藤精一(パノラマティクス主宰) 細川麻沙美(札幌国際芸術祭事務局統括マネージャー)ほか
参加費:無料(事前申込制・先着順)※定員90名
主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団
https://ccbt.rekibun.or.jp/events/aip_finalpresentation
※ 最新情報は公式ウェブサイトをご参照ください。