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アート・インキュベーション・プログラム

2022年度 CCBTアーティスト・フェロー 活動報告会

2023.03.21(火)
シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]

デジタルクリエイティブに特化した国内最大規模のアーティスト・フェロー制度「アート・インキュベーション・プログラム」。採択されたアーティスト・フェローと作品制作に伴走したメンターが登壇し、本年度の活動を振り返ります。

CCBTのコアプログラムのひとつ「アート・インキュベーション・プログラム」は、東京から世界をインスパイアする新たなアート表現の創造・研究開発を行う「アーティスト・フェロー」を公募にて選出するプログラムです。2022年度は初代アーティスト・フェローとして5組のアーティストが選出され、CCBTのパートナーとして制作費のサポート、スペース・機材提供、専門家によるアドバイス等を受けながら企画を具体化していきました。その成果となる作品発表・展覧会は、2023年2月を皮切りに、都内各地で順次開催しています。このほかにも、アーティスト・フェローは、CCBTにおけるワークショップの実施、レクチャー等の講師を務め、CCBTを共につくりあげてきました。

この度、採択されたアーティスト・フェロー5組の活動を振り返る報告会を開催します。初代アーティスト・フェローのみならず、フェローとともに伴走したメンターも登壇。採択されたフェローによる半年間にわたる活動のプレゼンテーションが行われるほか、メンターを交えた作品・企画制作過程のココでしか聞けない裏話などが語られます。

開催情報

2022年度 CCBTアーティスト・フェロー 活動報告会
日時:2023年3月21日(火・祝)15:00~19:00
会場:シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]

プレゼンター:
犬飼博士(未来の東京の運動会)
平本知樹(FORMING SPHERES)
Tomo Kihara + Playfool(Deviation Game ver 1.0)
浅見和彦+ゴッドスコーピオン+吉田山(Augmented SituationD)
SIDE CORE(rode work ver. under city)

ゲスト登壇者(本プログラムメンター)
伊藤隆之 (山口情報芸術センター [YCAM] R&Dディレクター)
いすたえこ(アートディレクター・グラフィックデザイナー)
岩屋民穂(グラフィックデザイナー)
齋藤精一(パノラマティクス主宰)
竹川潤一 氏 (一般社団法人 MUTEK Japan 理事)
細川麻沙美(札幌国際芸術祭事務局統括マネージャー)

参加費:無料(先着順、事前申込不要)※定員90名
主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団

プレゼンター

犬飼博士アーティスト写真

犬飼博士 (CCBTアーティストフェロー/eスポーツプロデューサー、ゲーム監督、運楽家)

映画監督山本政志に師事。映画監督、鉄拳のプレイヤーとしてキャリアをスタートし、対戦型ビデオゲームを開発。eスポーツ事業を国内でいち早く開始しWCG、CPL、ESWC等に日本代表を引率。空間情報科学をテーマとした展示「アナグラのうた~消えた博士と残された装置~」(2011年)、「スポーツタイムマシン」(13年)等で文化庁メディア芸術祭、アルスエレクトロニカにて受賞。スポーツ共創イベント「未来の運動会」を推進。ゲーム、プレイ研究を経てアート、スポーツ等の枠組みを超えた活動を「運楽」と命名。一般社団法人運動会協会理事。

CCBTオープニングイベント「未来の東京の運動会」
犬飼博士とデベロップレイヤーたち

ゲームクリエイターでeスポーツプロデューサーの犬飼博士が2014年から開始したスポーツアート共創。これまでの事業を通じて育ったデベロップレイヤーたちが集い、オープニングイベント「未来の東京の運動会」を実施。

平本知樹(空間デザイナー/建築家)

Spatial Designer / Architect 1987年生まれ、慶応義塾大学大学院(SFC)政策・メディア研究科エクスデザイン専攻修士課程修了。学生時代にFabLab Japanの発足に携わり、2015年にwipを設立。デジタル技術を駆使しプロダクトから空間デザインまでスケールを横断したデザインを行う。東京2020オリンピック・パラリンピックでは、表彰台プロジェクトを手がけ、オリンピック開会式ではドローン演出3Dアニメーション制作にも加わった。書籍『3D Printing Handbook/オライリージャパン』の執筆やデザイン誌で連載などを行う。。

FORMING SPHERES
野老朝雄+平本知樹+井口皓太

東京2020オリンピック競技大会の開会式では、ドローンにより球体の組市松文様が空中に表現された。本プロジェクトは、菱形三十面体から生成した百二十面体の各面に長方形を嵌めることで表現されたこの球体を、新たにインスタレーションとして再構築するものである。 本プロジェクトでは、開会式のドローン演出を手がけたメンバーである、大会シンボルマークをデザインした野老朝雄、デジタル・ファブリケーションの技術を使って廃プラスチックを材料として表彰台を制作した平本知樹、そして「動くスポーツピクトグラム」をデザインした井口皓太が協働。変化に富んだ映像を生み出すインスタレーションを発表。

木原共プロフィール写真
Playfool写真。レンガの壁の前に立ち笑う男女1名。受かって左が男性(ダニエル)、右が女性(さき)

Tomo Kihara(メディアアーティスト、インタラクションデザイナー)

「思索のための玩具」をテーマに、社会に新しい視点をもたらすゲームや実験的ソフトウェアの開発を行う。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、オランダのデルフト工科大学院のインタラクションデザイン科を修了。その後、アムステルダムに拠点を置く研究機関Waag Futurelabに参加し、人工知能が社会に与える影響についての研究に携わる。近年の作品はアルス・エレクトロニカ STARTS PRIZE (リンツ、2021年)にノミネートされたり、Victoria & Albert Museum(ロンドン、22年)で展示された。

Playfool(デザイナー、アーティスト、YouTuber)

Daniel CoppenとSaki Coppenによる実験的なユニット。共にイギリス・ロンドンのRoyal College of Artを修了し、以来「あそび」 をテーマに、年齢問わず体験者の創造性を育む道具としての制作の在り方を探究している。YouTube上でも精力的に活動している他、過去作品はVictoria & Albert Museum(ロンドン、2022)、MAK – Museum of Applied Arts (ウィーン、19〜 )で展示されている。

Deviation Game ver 1.0
Tomo Kihara + Playfool

人間には認識できるが、AIには認識できないモチーフを描くゲームを通して、AIによる世界の認識の仕方を遊びながら探究していくプロジェクト。AIが人間の創作物を容易に模倣できるようになった今、本企画では、アラン・チューリングが1950年に提唱したイミテーションゲームを参照しながらも、過去の模倣ではなく過去からの逸脱(Deviation)をAIと共に目指すワークショップや展示を展開。

浅見和彦(プロデューサー)

2018年に株式会社Psychic VR Lab、株式会社パルコ、株式会社ロフトワークの共同プロジェクト「NEWVIEW Project」の立ち上げや運営に携わり、21年にPsychic VR Labにプロデューサーとして入社。STYLYを活用したプロジェクトデザインからマネジメントまでプロデュース業務を幅広く担当している。主な実績として「NEWVIEW Project」 、 「ULTRA TOUR by STYLY」、「渋谷空想水族館 powerd by XRscape」、「MONDO GROSSO XRDJ LIVE」などがある。

ゴッドスコーピオン(メディアアーティスト)

「Psychic VR Lab」創設メンバー。魔術、XRテクノロジー、認知のフレームの変化をテーマに作品を制作。都市空間、生活空間への主な作品に、2014年度文化庁若手クリエイター育成事業採択『Stricker』、DJVR空間ジョッキー『Spatial Jockey』東京リチュアル、バンギ・アブドゥルとの共作でVRリチュアル作品『NOWHERE TEMPLE Beta』(2015年)。『ISLANDS』(小林健太・中里周子展示「ISLAND IS ISLANDS」、TOLOT / heuristic SHINONOME、東京、15年)。画家小田島等、漫画家ひらのりょうとの共作『YouとHere』(Higure Galler、東京、16年)、『chloma 2016-17 A/W Visual Art (VR)』がある。その他、篠田千明『zoo』 VRディレクター(KYOTO EXPERIMENT、16年)、VRカウンセリングサービス「HIKALY」ディレクター。

吉田山(アート・アンプリファイア/キュレーター)

富山県出身アルプス育ち。近所のフィールドワークを基に、そのアウトプットとしてアートスペースの立ち上げや作品制作、展覧会のキュレーション、ディレクション、コンサルティングや執筆等の活動を行う。近年の主なプロジェクトに、「インストールメンツ」(投函形式、住所不定、2020年)、「芸術競技」+「オープニングセレモニー」(FL田SH、東京、2020年)、「のけもの」(アーツ千代田3331、東京、2021年)、「The eyes of the wind/風の目たち」(トビリシ、ジョージア; obscura、東京、2022年)、「MALOU A-F」(Block House、東京、2022年)。

Augmented Situation D
浅見和彦+ゴッドスコーピオン+吉田山

渋谷の街なかで繰り広げるAR等のバーチャル技術を用いた作品展示と、インフォメーションセンターを兼ねたフィジカル展示の2つの形式で実施するプロジェクト。バーチャル上で展示される国内外の作家による作品のガイドツアーを行なったり、CCBTを拠点とした市民参加型のワークショップ等も開催。

SIDE CORE

2012年より活動開始。メンバーは高須咲恵、松下徹、西広太志。映像ディレクターとして播本和宜が参加。ストリートカルチャーの視点から公共空間を舞台にしたプロジェクトを展開しており、作品制作や展覧会の企画を通じ、新しい風景の見え方・在り方を発見することを目的としている。

rode work ver. under city
SIDE CORE

「rode work」は震災復興や都市開発など、風景の変革をスケートボードの視点で切り取ることをテーマにした映像作品シリーズ。このプロジェクトは2017年より継続して展開されており、本企画ではオリンピック以降の東京、そしてコロナ禍における都市の風景にフォーカスを当てた新作を発表する。公共の野外空間を想定し、CCBTを拠点に新たな発表形態での展示を予定。