世界のラボ型文化拠点における芸術文化活動を紹介するCCBT Meetup「ハロー!ラボラトリーズ!」のVol.2を開催します。第二回目となる今回は「時代に呼応する、世界の文化拠点」をテーマに、アメリカ・サンフランシスコのExploratorium、ドイツ・ドレスデンのHELLERAU、インドネシアのARCOLABSからスピーカーを迎えます。ポストコロナ時代におけるあらゆる催しのハイブリッド化、AI技術の発展、Web3の台頭など、芸術文化を取り巻く環境が急速に変化する今日において、世界各地の文化拠点はいかなる戦略を組み、社会に新たな提案を発信していくことができるのか、その可能性を考えます。
一歩先を実験し、あたらしいを提案する。
更新を続ける、これからの芸術文化拠点とは。
ラボを活動の軸に据える文化拠点の多くは、その時々の時代背景や都市の課題に呼応するかたちで設立されてきました。それは、ラボにおける「実験」や「表現への探究」が、直面する課題に対する新たな発見や提案をもたらすことへの期待によるものです。そして、可変性と応用性に長けているテクノロジーとその活用は、芸術文化による社会課題へのアプローチの手段としても、重要な役割を果たしてきました。一方で、テクノロジーは発展を続け、社会的ニーズも変化し続けます。この変化を受け止めるシステムとしてラボが機能していくためには、移りゆく社会の状況を見極め、休みない体制の見直し、刷新と再生を続ける必要があるでしょう。本シンポジウムでは、アートと科学による学びの変革を提唱するアメリカのExploratorium、ハイブリッド時代におけるパフォーミングアーツの可能性を拡張するドイツのHELLERAU、拠点をもたないインドネシアのキュレーター・コレクティブARCOLABSの活動から、時代に呼応して更新を続ける世界の文化拠点の取組を紹介します。ポストコロナ時代におけるあらゆる催しのハイブリッド化、AI技術の発展、Web3の台頭など、芸術文化を取り巻く環境が急速に変化する今日において、世界各地の文化拠点はいかなる戦略を組み、社会に新たな提案を発信していくことができるのか、その可能性を考えます。
タイムライン
15:30-15:40[イントロダクション]
15:40-17:40[第1部]「時代に呼応する、世界の文化拠点」
スピーカー:(各30分)
・松本 亮子(Exploratorium)
・Birte Sonnenberg(HELLERAU – European Center for the Arts)
・Jeong Ok Jeon (ARCOLABS)
・伊藤 隆之(シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT])
17:55-19:00[第2部]クロスディスカッション、質疑応答
モデレーター:廣田 ふみ(シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT])
参加文化拠点
Exploratorium (サンフランシスコ/アメリカ合衆国)
フランク・オッペンハイマーによって1969年に誕生したExploratoriumは、アートと科学の境界を融合することで、それまでの科学博物館のあり方に革命を起こしたミュージアムであり、探究と実験を通じて、実際に手を動かし学ぶことの価値を確立してきた。科学教育の先駆者として、探究型学習を支持しており、国の科学教育政策にも大きな影響を与えている。公共の学習ラボとして機能し、常に革新を重ねるExploratoriumは、展示物の製作の全てを館内の工房で行い、時代の変遷とともに展示内容を更新し続けている。また、教育に対するビジョンから、多様なオリジナル教育プログラムを生み出しており、その対象は単に来館者に留まらず、教育関係者、研究者など多岐にわたる。
設立以来、アートと科学が、世界を認識し理解するための相互補完的な要素であることを提唱しており、アートと科学の両方を活動の中核に据えている。
https://www.exploratorium.edu
HELLERAU – European Center for the Arts(ドレスデン/ドイツ)
近代建築の先駆者、ハインリヒ・テッセナウと音楽教師エミール・ジャック=ダルクローズの構想に基づき1911年に建設された祝祭劇場であり、音楽とリズムのための教育施設。波乱に満ちた歴史の中で、芸術的近代性の実験場として発展してきた。現在では、ドイツおよびヨーロッパにおいて、最も重要な現代アートの拠点のひとつとして認識されている。
異分野の共同制作およびゲスト公演の場として機能し、コンテンポラリーダンス、音楽、演劇、パフォーマンス、メディアアート、ビジュアルアートの制作と発表の機会を提供。また、地域や国内外の文化拠点と連携し、多数のネットワークに携わっている。
https://www.hellerau.org/en/
ARCOLABS(インドネシア)
2014年にインドネシアで設立されたARCOLABSは、学術研究施設からインデペンデント・キュレーター事業を中心とした組織へと移行し、現代アートやニューメディアアートの多彩なプログラムに力を入れている。その実験的・ラボ的環境は、展覧会や地域プロジェクト、教育ワークショップなど、広範にわたる実践ベースのプログラムを通じて、革新的で創造的な思考を促進。学術的な研究と実践的な応用の融合を奨励することで、芸術における新しいアイデアと革新的な実践の実験プラットフォームとしての役割を担う。常勤キュレーターとプロジェクト毎の専属キュレーター、アートマネージャー、研究者から成るチームで構成され、アートコミュニティにおける分野横断的な国際交流を推進している。ARCOLABSのオープンで柔軟な取り組みは活発な協働を促し、インドネシア国内外における現代アートとニューメディアアート分野の一翼を担う重要な存在となっている。
http://www.arcolabs.org
シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT](東京/日本)
アートとデジタルテクノロジーを通じて、人々の創造性を社会に発揮する(シビック・クリエイティブ)ための活動拠点として、2022年10月、東京・渋谷に開設。CCBTは、シビック・クリエイティブを実現・普及するために、アート、デザイン、テクノロジーに関する専門性と研究性をもって実験と課題解決に取り組むラボであり、そのための設備と専門家のリソースを有している。5つのコアプログラム「ミートアップ」「ワークショップ」「アート・インキュベーション」「キャンプ」「ショーケース」を通じて、東京からイノベーションを生み出す原動力となることを目指す。
https://ccbt.rekibun.or.jp