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未来提案型キャンプ

Future Ideations Camp Vol.7|Super Sober Shamanism:同期・共在・模倣を演劇とテクノロジーの両岸から考える

2025.10.01(水)–12(日)
東京芸術劇場 アトリエウエスト、ギャラリー2
Future Ideations Camp Vol.7メインビジュアル画像
会期
2025年10月1日(水)〜10月12日(日)
会場
東京芸術劇場 アトリエウエスト、ギャラリー2
定員
20名程度
参加費
無料
申込受付期間
2025年7月23日(水)〜8月31日(日)

成果発表:10月12日(日)
成果展示:10月15日(水)〜10月19日(日)

複数の時間・空間・身体が重なり合う現代の感覚を手掛かりに、テクノロジーと舞台芸術の新たな可能性を探る短期集中キャンプ。
演劇というメディアの身体性とデジタル技術を融合させた創作に挑み、新たな「演劇」を共創します。

シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]では、多様な人々が協働し、アートとデジタルテクノロジーによる創作活動を行う短期集中ワークショップ「未来提案型キャンプ」を開催しています。本プログラムでは、選考を経た20名程度の参加者が、思考法を身につける講義やスキル習得のためのワークショップ、グループによる協働制作を複数日にわたって行うほか、トークイベントや成果展示なども一般公開します。

第7回目となる今回は、東京・池袋で開催される舞台芸術祭「秋の隕石」との共同企画プロデュースで、演劇とテクノロジーをテーマに、東京芸術劇場にて実施します。テクノロジーと演劇表現の両分野で活躍する3名のディレクターによる協働ディレクションのもと、演劇におけるテクノロジーの活用を学ぶとともに、演劇というメディアを専門的に探究する交流の機会を創出し、未来に向けた新たな「演劇」の提案を目指します。

参考:Future Ideations Camp Vol.4:生態系をデータとしてとらえる/表現する 撮影:斉藤純平
参考:Future Ideations Camp Vol.5:AIは生命になり得るか? 撮影:村松正博

ディレクターズ・ステートメント

ご飯を作る時にradikoをかける。帰ってきてビールを空けながら配信のリアタイ待ちをする。メッシュ予報で30分後の雨雲の位置を見る。現在の日常風景は、複数化された時間・空間・身体の層から成り立っています。

私たちはテクノロジーと演劇を構成するものは複数の事象の「重ね合わせ」であると考えました。異なる存在たちが、異なるリズムと欲望を保ったままにそれぞれの時間と空間を重ね合わせること(同期・共在)、そして、模倣という行為を通じて、ひとつの身体と人格にもうひとつ(あるいはもっと多く)のそれらを重ね合わせること。テクノロジーと演劇の根源をなす重ね合わせの作用をさらに重ね合わせることによって、両者をどのように再定義し、増幅し、増殖させていくことができるでしょうか?

テクノロジーと演劇について考えるためには、何はともあれまずは手や身体を動かしてみることが大事です。本プログラムでは、料理に用いるピーラーやアニサキス検知用ライト(=ブラックライト​​)、ピピッとコンロのような、直感的に操作できる道具を用意します。参加者はこれらを「手に取って触れ」「実際に試す」ことで、AI/XRといったデジタルエンボディメント、サウンドデザイン、テキスト操作など、上演にまつわる諸技術に精通した講師たちとともに、その使い方を学びます。そしてキャンプ内でチームを組み、クリエーション期間を通し上演/展示作品の制作に取り組みます。

新しいテクノロジーのまとう、どこか魔術的な雰囲気は、演劇の儀礼的な性格、演じることのシャーマニズム的な性格を再び呼び起こすでしょう。しかしそれは、陶酔の熱狂からクールに身をかわす、きわめて素面(シラフ)のシャーマニズムであることでしょう。

プログラムディレクター

・江口正登(研究者)
・ゴッドスコーピオン(メディアアーティスト)
・篠田千明(演劇作家、演出家、学童指導員、観光ガイド)

講師・ファシリテーター

・岸裕真(アーティスト)
・JACKSON kaki(アーティスト、DJ、VJ、映像作家、グラフィッ クデザイナー)
・中井悠(音楽その他、東京大学副産物ラボ)
・円香(現代魔女、アーティスト)
・山本浩貴(小説家、デザイナー、批評家、編集者、いぬのせなか座主宰)
・涌井智仁(美術家、音楽家、WHITEHOUSEディレクター・キュレーター)

開催概要

開催日時:2025年10月1日(水)〜10月12日(日)11:00〜19:00頃(予定)
※参加者に向けた事前説明会(Day0)を9月9日(火)に実施します。
成果発表:10月12日(日)
成果展示:10月15日(水)〜10月19日(日)
会場:東京芸術劇場 アトリエウエスト、ギャラリー2

プログラム・カリキュラム(予定・随時更新)

Day0 – 9月9日(火)19:00〜20:00  会場:オンライン
ディレクター紹介
プログラム紹介
講師の紹介

Day1– 10月1日(水)
イントロダクション
参加者活動紹介
レクチャー&ハンズオン・ワークショップ(講師:篠田千明、岸裕真)

【一般公開】基調講演 ※詳細後日発表

Day2– 10月2日(木)
レクチャー&ハンズオン・ワークショップ(講師:江口正登、中井悠、ゴッドスコーピオン)
ディスカッション

【一般公開】基調講演  ※詳細後日発表

Day3– 10月3日(金)
ファシリテーター活動紹介 
ラピッドプロトタイピング(講師:JACKSON kaki、円香、山本浩貴、涌井智仁)

Day4– 10月4日(土)
ブレインストーミング
グループワークによる共創

【一般公開】基調講演  ※詳細後日発表

Day5– 10月5日(日)
グループワークによる共創
オープンダイアローグ

Day6〜Day9– 10月7日(火)〜10月10日(金)
クリエーション

Day10– 10月11日(土)
リハーサル

10月12日(日) 
【一般公開】成果発表

10月15日(水)〜10月19日(日) 
【一般公開】成果展示  

参考:Future Ideations Camp vol.1: Import *
参考:Future Ideations Camp Vol.5:AIは生命になり得るか? 撮影:村松正博
参考:Future Ideations Camp Vol.4:生態系をデータとしてとらえる/表現する 撮影:斉藤純平

応募要項

応募受付期間:2025年7月23日(水)〜8月31日(日)
募集人数:20名程度
年齢不問

応募要件:
・会期中のすべてのカリキュラムに参加可能であること。
・研究や創作活動等の実績を有すること。
・今後の活動目標や活動計画を有すること。

参加対象者:
・誰かと一緒に何かを創りたいと考えている方
・演劇や音楽、デザイン、テクノロジー、その他さまざまな分野のアーティストやクリエイター
・現在創作活動を行っていて、テクノロジーを取り入れて新しい表現に挑戦したい方
・未知の舞台芸術作品の創作にチャレンジしたい方
・分野の枠を超えた新しい表現や実験的創作に挑戦したい/関心のある研究者、学生
・育児、闘病、介護などの理由から一旦創作活動から離れていて、久しぶりに活動を再開したいと考えている方
など


選考基準:
応募内容をもとに主催者にて選考を行い、参加者を決定します。

選考結果の通知:
2025年9月6日(土)(予定)に応募者のメールアドレス宛にご連絡します。

応募方法:
申込フォームにてお申し込みください。
もしくは、件名を「未来提案型キャンプ応募」とし、本文に以下の内容を明記の上、メールにてccbt@rekibun.or.jpまでお送りください。


【記載事項】※ は必須にて記載ください。
・氏名(ふりがな)(※)
・年齢(※)
・居住都市(※)
・メールアドレス(※)
・職業・所属先(※)
・専門分野・領域(下記よりお選びください/複数回答可)その他を選ばれた方は別途ご記入ください(※)
(アート、演劇、デザイン、エンジニア、音楽、教育、宗教学、人文学、環境学、哲学、その他)
・未来提案型キャンプに興味を持った理由、挑戦したいこと(ご自身の欲望を踏まえて自由にご記入ください)(※)
・未来提案型キャンプ参加にあたり希望する情報保障支援、サポートがあれば記載ください。
 例:手話通訳、文字通訳
・このほか、ご自身の活動を紹介するポートフォリオ、映像資料、ウェブサイトやGithubなどがあればリンクを記載ください。

スタッフ

プログラム・ディレクション
伊藤隆之(CCBT)
ドラマトゥルク
木村悠介(&Co.)、羽鳥嘉郎(秋の隕石)
プログラム・マネジメント
伊藤遥(CCBT)、鹿島萌子、寺田凜(秋の隕石)、半澤裕彦(秋の隕石)
テクニカル・ディレクション
三浦大輝(arsaffix)
テクニカル・スタッフ
イトウユウヤ(arsaffix)、稲田駿平(CCBT)、乙戸将司(CCBT)、平瀬ミキ(arsaffix)
運営
一般社団法人オノコロ

舞台芸術祭「秋の隕石2025東京」

豊島区池袋の東京芸術劇場を中心に、2025年10月1日より11月3日まで開催する国際的な舞台芸術祭「秋の隕石2025東京」。演劇作家・演出家・小説家・チェルフィッチュ主宰の岡田利規がアーティスティック・ディレクターを務め、あらゆる人々に対して広く開かれた国際的な舞台芸術祭となることをめざす。今、ここ、にある日本と世界の舞台芸術表現が、より身近なもの、自分と直接接続し腑に落ちるものとして捉えられるような、さまざまな現実の姿に気づき新たな視点でこの世界を捉え直すことができるような機会を創り出す。2025年は、国内・海外の多様な舞台芸術作品14演目による「上演プログラム」、レクチャーやワークショップなどの「上演じゃないプログラム」、その両方を支える「ウェルカム体制(=来場サポートのこと)」の3つを展開する。

主催:東京舞台芸術祭実行委員会〔東京都、東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)〕
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(国際芸術交流))|独立行政法人日本芸術文化振興会
協賛:アサヒグループジャパン株式会社
メディアパートナー:Tokyo Art Beat
協力:豊島区、西武鉄道株式会社、東武鉄道株式会社

星柄オレンジTシャツにネイビーブレザーを羽織った眼鏡をかけた男性

江口正登Eguchi Masato

研究者

演劇研究/パフォーマンス研究/表象文化論。ニューヨーク大学ティッシュ芸術学部客員研究員、立教大学現代心理学部助教、合同会社syuz’genなどを経て、現在、立教大学現代心理学部および跡見学園女子大学文学部で兼任講師。研究上の主要な関心は、第二次大戦後のアメリカ合衆国における〈パフォーマンス的転回〉を歴史的・理論的に広く検討すること。俳優としての出演作にチェルフィッチュ『三月の5日間』(2004年)、「インダハウス・プロジェクツ」no.1『三月の5日間[オリジナル版]』(2018年)など。

ゴッドスコーピオンGod Scorpion

メディアアーティスト

主に形而上学や宗教哲学、テクノロジーを題材に、時間軸と空間軸のフレームの変化をテーマにした作品を制作。作品は都市や屋外、屋内、身体といったさまざまな空間で展開され、XR 技術を利用したマルチメディア、横断的な作品を手がける。XRプラットフォーム「STYLY」を提供する株式会社STYLYのファウンダーメンバー/シニアアートディレクター。

グラフィティの描かれた青い金属壁を背に、ベージュのキャップとオレンジの長袖シャツを着て、両手を頬の下に添え、満面の笑みでカメラを見つめている女性の写真
Photo: Graham Mayer

篠田千明Shinoda Chiharu

演劇作家、演出家、観光ガイド、学童指導員

複数の環世界を聞き分けて空間に配置し、閉じずに整えるのが得意。2004年に多摩美術大学の同級生と「快快」を立ち上げ、2012年に脱退するまで、中心メンバーとして主に演出、脚本、企画を手がける。その後バンコクに移動し、ソロ活動を続ける。2020年3月に日本に帰国、練馬を拠点とする。2020年山口情報芸術センター[YCAM]と共同でオンラインパフォーマンス『5x5x5本足の椅子』製作。2022年には東京の民家を舞台に『no plan in duty』を演出。美学校で『劇のやめ方』という講座を担当している。

撮影:手塚 なつめ

岸裕真Kishi Yuma

アーティスト

AIを「Alien Intelligence(エイリアンの知性)」と捉え直し、人間とAIによる創発的な関係「エイリアン的主体」を掲げて、自ら開発したAIと協働して絵画、彫刻、インスタレーションの制作を行う。2023年よりほぼすべての制作において、AIモデル「MaryGPT」がキュレーションを担当。主な活動として、個展「Oracle Womb」(2025年、 √K Contemporary)、参加展覧会「DXP2」(2024年、 金沢21世紀美術館)など。受賞歴に「CAF賞2023」入選など。主な著書に『未知との創造:人類とAIのエイリアン的出会いについて』(誠文堂新光社)がある。

JACKSON kakiJACKSON kaki

アーティスト、DJ、VJ、ディレクター、グラフィックデザイナー

1996年静岡県生まれ。山梨県甲府在住。3DCGや映像、パフォーマンス、インスタレーション、サウンドなどのマルチメディアの表現に取り組み、身体とテクノロジーの関係性を脱臼的感覚に落とし込む。VJとしてはMONDO GROSSOやEYヨなどの国内のアーティストから、Two ShellやKode 9などの海外のアーティストとのコラボレーションを行い、クラブシーンを中心に活動する。アーティストとしては国内のギャラリーなどの展示の参加や、海外の美術館でのAudio Visualのライブを行う。

https://twitter.com/Kakiaraara https://www.instagram.com/kakiaraara/ https://www.tiktok.com/@kakiaraara https://www.youtube.com/@kakijackson2697
きな男性の顔をかたどった紙製マスクを手に持ち、椅子に座っている男性の写真

中井悠Nakai You

音楽その他、東京大学副産物ラボ

No Collectiveのメンバーとして音楽、ダンス、演劇、お化け屋敷などを世界各地で制作。制作のかたわらで実験的電子音楽、パフォーマンス、影響や癖の理論などについて研究を行なう。著書に『Reminded by the Instruments: David Tudor’s Music』(Oxford University Press, 2021年)など。最近の制作に、1970 年代半ばに構想されたものの未完に留まっていた、孤島を丸ごと楽器化する《Island Eye Island Ear》の半世紀越しの実現など。翻訳に『調査的感性術』(水声社、2024年)など。東京大学准教授、アヴァンギャルドアート部会主任、副産物ラボ主催。

https://www.selout.site/jp
オレンジのジャケットを羽織った女性の写真

円香Madoka

現代魔女、アーティスト

モダンウィッチクラフト文化を研究、実践。未来魔女会議主宰。『文藝』『エトセトラ』『ムー』『Vogue』『WIRED』「Tokyo Art Beat」などに魔女に関するインタビューや記事を掲載。2023年からダナ・ハラウェイ研究者の逆卷しとねとキメラ化し、まどかしとね名義でZINE『サイボーグ魔女宣言』を発売。集英社新書プラスにて「現代魔女」、笠間書院にて「Hello Witches! ! ~21世紀の魔女たちと~」を連載中。

キャラメルブラウンのフード付きジャケットを羽織り、木目の壁が並ぶ室内のテーブルに肘をついて座っているメガネの男性
Photo: Natsuki Kuroda

山本浩貴(いぬのせなか座)Yamamoto Hiroki (Inu no Senaka-za)

小説家、デザイナー、批評家、編集者、いぬのせなか座主宰

1992年生まれ。制作集団・出版版元・デザイン事務所「いぬのせなか座」主宰。小説や詩歌の執筆、芸術全般の批評、書籍や印刷物のデザイン・編集・出版、上演作品の制作などを通じて、現代における表現と生のあいだの関係の可能性を検討・提示している。主な小説に「無断と土」(『異常論文』(樋口 恭介編、早川書房、2021年)『ベストSF2022』(大森望編、竹書房、2022年))。批評に『新たな距離』(フィルムアート社、2024年)。デザインに『クイック・ジャパン』(159-167号、太田出版、2022-23年)、吉田恭大『光と私語』(いぬのせなか座、2024年)。企画・編集に『早稲田文学 特集=ホラーのリアリティ』(筑摩書房、2021年)。

https://lit.link/hirokiyamamotoinunosenakaza
ざらついたモノクロ画面に、ドア枠の前で薄いガラス越しにこちらを直視する男性の写真

涌井智仁Wakui Tomohito

美術家、音楽家、WHITEHOUSEディレクター・キュレーター

1990年新潟県生まれ。主な展覧会に「nonno」(2016年、8/ART GALLERY/Tomio Koyama)、「Dark Independants」(2020年、オンライン/都内某所)、「JUNK’S PORTS」(2023年、ANOMALY、東京)、「電気-音」(2023年、金沢21世紀美術館)、「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」(2024年、東京都現代美術館)など。

https://tomohitowakui.com/https://7768697465686f757365.com/
企画・制作
シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]、舞台芸術祭「秋の隕石」
主催
東京都、シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT](公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京)、東京舞台芸術祭実行委員会〔東京都、東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)〕