ホーム / イベント / Future Ideations Camp Vol.8:30年後のファッションを想像する
キャンプ

Future Ideations Camp Vol.8:30年後のファッションを想像する

2026.08.07(金)–11(火)
シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]
開催日時
2026年8月7日(金)〜8月11日(火・祝)〈5日間〉
会場
シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]
定員
20名程度
参加費
無料
申込受付期間
2026年6月6日(土)〜7月6日(月)

活動報告・成果展示:2026年8月13日(木)〜8月16日(日)

身体にもっとも近いインターフェースである「ファッション」を起点に、私たちの未来を想像する5日間のキャンプを開催!

シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]では、多様な人々が協働し、アートとデジタルテクノロジーによる創作活動を行う短期集中ワークショップ「未来提案型キャンプ」を開催しています。本プログラムでは、選考を経た20名程度が、思考法を身につける講義、スキルセットをつくるワークショップ、グループワークによる協働制作を複数日にわたって行うほか、トークや成果展示などを一般公開します。

第8回目となる今回は、「ファッション」をテーマとして扱います。

ファッションは、素材の源泉である動植物から、栽培・紡績・縫製といった生産工程における労働、そして流通、消費、廃棄に至るまで、極めて広範かつ非人称なネットワークによって成立しています。衣服を単なる個人のアイデンティティの表出手段としてのみならず、多様なステークホルダーが交錯する「複合的なレイヤー」として捉え直すと、一着の服に隠れている背景を想像することができます。一着の服は、われわれの身体にもっとも身近でありながら、数多くのマクロな課題と密接に関連しているのです。

本キャンプでは、一着の服からマクロな背景を想像することを起点として、その想像力を30年後の未来まで飛躍させます。30年後、我々はどのような服を着ているのでしょうか?その服を着ている我々は、どのような社会を生きているのでしょうか?

ディレクターには、京都精華大学デザイン学部教授であり、ファッション論を専門としている蘆田裕史氏を迎えます。そのほか、エンジニアリングや人類学、更には死生観にいたるまで、多様な専門性を有する実践者を講師に迎えます。各講師によるレクチャーやワークショップを通じて、多層的なレイヤーが重なる「ファッション」を紐解きます。さらに、グループワークによる共創を通じて、30年後の社会を変容させる新たな表現を生み出すことに挑戦します。

参考:Future Ideations Camp Vol.6:見えないルールの中で都市を取り戻す
参考:Future Ideations Camp Vol.7:Super Sober Shamanism:同期・共在・模倣を演劇とテクノロジーの両岸から考える

ディレクターズ・ステートメント

「明⽇、あなたは何を着ますか?」そう尋ねられたらあなたはどう答えるでしょうか。明⽇着るものを決めるためには、まずはあなた⾃⾝の予定̶̶ オフィスで仕事をする、友⼈とテーマパークに⾏く、家でひとりでゆっくり過ごす、などなどを考慮する必要があります。けれども、着る服はあなたの事情だけで決まるわけではありません。学校の制服のように守らなければいけないルールに制約を受けることもありますし、とりわけ冠婚葬祭などではドレスコードに従わなければならないこともあるでしょう。さらに、天気や気温といった環境的な要因も無視できるものではありません。もっと⾔えば、あなたのワードローブにある服は、あなたの経済状況にも⼤きく依存しています。

たしかに私たちは着る服を⾃由に選べる時代にいると⾔えるのですが、私たちの選択は社会によって⼤きく左右されてもいます。ファッションにおける選択肢は、個⼈と社会のあいだで揺れ動いているのです。

では、30 年後のあなた以外の⼈でも構わないのですがどんなものを着ているでしょうか。服を買うのではなく⾃分で作ることがあたりまえになっているかもしれませんし、服作りの技術が進化してミシンを使わずともボタンひとつで服ができあがるようになっているかもしれません。あるいは、おしゃれに気を使うなんて価値観がもはやなくなっていることもあるかもしれません。30 年後の社会を想像することなしに、30 年後のファッションを思い描くのはきわめて困難でしょう。

今回のキャンプは、30 年後のファッションがどのようなものになっているのかを皆で考える試みです。ひょっとすると、「そういうことはファッションデザイナーが考えればいいんじゃない?」と思われる⽅もいらっしゃるかもしれません。けれども、ファッションには多様なステークホルダーが存在します。たとえば、「服を作る」ということだけ考えてみても、綿花を育てる農家、紡績⼯場の労働者、テキスタイルデザイナー、機屋の職⼈、ファッションデザイナー、パタンナー、縫製⼠などさまざまな役割を持った⼈たちが携わっています。

そして、スタイリストや写真家、編集者のようにイメージを届けることにかかわる⼈もいれば、作られた服を売る⼈もいますし、なにより着る⼈がいなければファッションは成り⽴ちません。仮にデザイナーがどんなにすばらしい提案をしたとしても、ユーザーがそれを欲しなければ世の中に広がることはありません。そういう意味では、ファッションにかかわるすべての⼈、つまりこの現代社会を⽣きるすべての⼈が想像⼒を育むことが必要です。

考え、⼿を動かし、議論しながらファッションの望ましい姿を想像するこのキャンプが、まだ名前のない未来のファッションを発明する場所になることを願っています。

蘆田裕史

プログラムディレクター

・蘆田裕史(ファッション論、京都精華大学デザイン学部教授)

講師・ファシリテーター

・安宅和人(慶應義塾大学環境情報学部教授、LINEヤフー シニアストラテジスト)
・金森香(DRIFTERS INTERNATIONAL Representative Director、株式会社precog アソシエイト・シニア・プロデューサー)
・川崎和也(Synflux CEO、スペキュラティヴ・ファッションデザイナー)
・kan. (テキスタイルアーティスト、ファッションデザイナー)
・岸根紗葵(国際ファッション専門職大学助教)
・髙山エリ(スタイリスト)
・TALK NONSENSE(ファッションデザイン、リサーチプラクティス)
・古舘健(アーティスト、ミュージシャン、エンジニア)
・宮前義之(A-POC ABLE ISSEY MIYAKE デザイナー)

開催概要

開催日時:2026年8月7日(金)〜8月11日(火・祝)11:00〜20:00頃(予定)
※参加者に向けた事前説明会(Day0)を7月26日(日)に実施予定です。
成果展示【一般公開】:8月13日(木)〜8月16日(日)
会場:シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]

プログラム・カリキュラム(予定・随時更新)

Day1:8月7日(金)
イントロダクション
参加者活動紹介
レクチャー(講師:蘆田裕史)
レクチャー・ハンズオン (講師:TALK NONSENSE)
【一般公開】基調講演(講師:安宅和人)

Day2:8月8日(土)
レクチャー(講師:金森香)
レクチャー・ハンズオン(講師:川崎和也)
講評
【一般公開】基調講演(講師:宮前義之)

Day3:8月9日(日)
レクチャー・ハンズオン(講師:髙山エリ)
ワールドカフェ
グループワークによる共創

Day4:8月10日(月)
グループワークによる共創
中間発表
【一般公開】基調講演

Day5:8月11日(火・祝)
グループワークによる共創
成果発表

参考:Future Ideations Camp Vol.1:Import *
参考:Future Ideations Camp Vol.3:インクルーシブな「出会いのきっかけ」を共創す
るワークショップ

応募要項

受付期間:2026年6月6日(土)〜7月6日(月)厳守
募集人数:20名程度
年齢不問

応募要件:
・会期中のすべてのカリキュラムに参加可能であること
・研究や創作活動等の実績を有すること
・今後の活動目標や活動計画を有すること

参加対象者:
・誰かと一緒に何かを創りたいと考えている方
・ファッションやデザイン、その他さまざまな分野のデザイナー、アーティストやクリエイター
・現在創作活動を行っていて、テクノロジーを取り入れて新しい表現に挑戦したい方
・分野の枠を超えた新しい表現や実験的創作に挑戦したい/関心のある研究者、学生
・未来のファッションについて考えたい方
・自分のほしい服が世の中にないと考えている方

選考基準:
応募内容をもとに主催者にて選考を行い、参加者を決定します。

選考結果の通知:
2026年7月13日(月)(予定)に応募者のメールアドレス宛にご連絡します。

応募方法:
申込フォームにてお申し込みください。
もしくは、件名を「キャンプVol.8応募」とし、本文に以下の内容を明記の上、メールにてccbt@rekibun.or.jpまでお送りください。


【記載事項】※ は必須にて記載ください。
・氏名(ふりがな)(※)
・年齢(※)
・居住都市(※)
・メールアドレス(※)
・職業・所属先(※)
・専門分野・領域(下記よりお選びください/複数回答可)その他を選ばれた方は別途ご記入ください(※)
(ファッション、デザイン、アート、建築、食、プロダクト開発、エンジニア、編集者、人文学、環境学、自然科学、その他)
・本キャンプへの参加を希望する理由・期待すること(400文字以内)(※)
・本キャンプ参加にあたり希望する情報保障支援、サポートがあれば記載ください。
 例:指点字通訳、触手話通訳、字幕
・このほか、ご自身の活動を紹介するポートフォリオ、映像資料、ウェブサイトやGithubなどがあればリンクを記載ください。

蘆田裕史Ashida Hiroshi

ファッション論、京都精華大学デザイン学部教授

1978年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程単位取得退学。京都服飾文化研究財団アソシエイト・キュレーターなどを経て、現在、京都精華大学デザイン学部教授。専門はファッション論。著書に『言葉と衣服』(2021年、アダチプレス)、『クリティカル・ワード ファッションスタディーズ』(共編著、2022年、フィルムアート社)など。訳書にヴァレリー・スティール『ファッションセオリー——ヴァレリー・スティール著作選集』(共監訳、2025年、アダチプレス)などがある。ファッションの批評誌『vanitas』(アダチプレス)編集委員、本と服の店「コトバトフク」の運営メンバーも務める。

安宅和人 Ataka Kazuto

慶應義塾大学環境情報学部教授、LINEヤフー シニアストラテジスト

一般社団法人「残すに値する未来」代表理事。データサイエンティスト協会 設立理事・スキル定義委員会委員長。マッキンゼー(11年間)、ヤフーCSO(10年間)を経て現職。データ・AIによる社会システム設計を専門とし、政府の科学技術・AI政策形成にも参画。東京大学 生物化学専攻 修士課程修了。イェール大学Ph.D.(脳神経科学)。主著に『イシューからはじめよ』(2010年、英治出版)『シン・ニホン』(2020年、出版社NewsPicksパブリッシング)『風の谷という希望』(2025年、英治出版)。

金森香Kanamori Kao

DRIFTERS INTERNATIONAL Representative Director、株式会社precog アソシエイト・シニア・プロデューサー

身体と劇場への関心を軸に、ファッション、パフォーミングアーツ、教育、地域文化の領域を横断して活動するプロデューサー。NPO法人DRIFTERS INTERNATIONAL代表として、人材育成事業や研究会、地域芸術祭などを企画・運営するほか、企業や制作会社と協働し、新規事業開発やイベント企画を手がける。Central Saint Martins College of Art and Design卒業。出版社リトルモアを経て、2001年にファッションブランド「シアタープロダクツ」を設立し、2017年まで経営に携わった。近年はダイバーシティ&インクルージョンをテーマとした事業に注力している。2025年から、シンポジウム「障害とデザイン」や、多様な子どもたちの姿に向き合う職業体験事業「はたらく劇場探検隊」をスタート。

川崎和也Kawasaki Kazuya

Synflux CEO、スペキュラティヴ・ファッションデザイナー

1991年生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科エクスデザインプログラム修士課程修了(デザイン)、同後期博士課程単位取得退学。専門は、デザインリサーチとファッションデザインの実践的研究。主な受賞に、Global Fashion Agenda Trailblazer Programmeグランプリ、Kering Generation Award Japanファイナリスト、第41回毎日ファッション大賞、新人賞・資生堂奨励賞、H&M財団グローバルチェンジアワード特別賞、文化庁メディア芸術祭アート部門審査委員会推薦作品選出、Wired Creative Hack Awardなど。Forbes Japan 30 under 30 2019、WWD JAPAN NEXT LEADERS 2020選出。経済産業省「これからのファッションを考える研究会 ファッション未来研究会」委員。 単著に『惑星のためのファッション』(2026年、ビー・エヌ・エヌ)、監修・編著書に『SPECULATIONS』(2019年、ビー・エヌ・エヌ)、共著に『クリティカル・ワールド ファッションスタディーズ』(2022年、フィルムアート社)、共編著に『サステナブル・ファッション』(2022年、学芸出版社)がある。

https://synflux.io/

kan.kan.

テキスタイルアーティスト、ファッションデザイナー

「旅する糸|Traveling Threads」をテーマに旅先でフィールドワークを行うテキスタイルアーティスト。多摩美術大学テキスタイルデザイン専攻在学中から、現地で出会う風景や手仕事、土地に根づく繊維文化に着想を得て、草木染めや刺繍を用いた作品制作を行う。近年は西アフリカ・ギニアビサウで学生とのTシャツ制作やファッションショーを企画。個人での活動と並行してファッションデザインにも携わり、衣服を通じた文化の継承や、人と自然の関係性について探究している。

https://kan-ngsw.studio.site/

岸根紗葵Kishine Saki

国際ファッション専門職大学助教

上智大学神学部神学科卒業後、株式会社イッセイミヤケにて広報業務に従事。ファッションを取り巻く文化や身体への関心を深め、上智大学大学院実践宗教学研究科死生学専攻修士課程を修了。現在、国際ファッション専門職大学助教。現代社会における死生観とファッションの関係を主な研究テーマとし、ハイ・ファッションにおける死の表象や死装束の変容を研究している。

https://www.piif.ac.jp/about/faculty_member/kishine-saki/

髙山エリTakayama Eri

スタイリスト

2007年より雑誌や広告を中心に活動。近年は俳優やアーティストのスタイリングを主とし、時折映画衣裳も手掛ける。主な参加作品に「PARKS」、「リバーズ・エッジ」、「ナミビアの砂漠」、連続テレビ小説 『まれ』など。イメージや身体感覚、人の営みを起点とした表現、作品撮りを継続している。直近では夢日記に夢中。こころやからだとファッションの関係に興味がある。

TALK NONSENSETALK NONSENSE

ファッションデザイン、リサーチプラクティス

2024年東京を拠点に小梶 真吾、沖 裕希によって設立。衣服を「作ること」着ること」の周辺に介在する、身体性、労働、風土、物語、技術、制度など、さまざまな状況を改めて捉え直しながら、分野横断的にプロジェクトを展開し、リサーチを通して実践的なアプローチと製品開発へとつなげている。

https://talknonsense.xyz/

古舘健Furudate Ken

アーティスト、ミュージシャン、エンジニア

「系(システム)」「知覚」をテーマに、コンピューター、プログラミング技術を基盤として、音響、映像、エレクトロニクス、テキスタイルなど多様なメディアや領域で活動。サウンドアートプロジェクト「The SINE WAVE ORCHESTRA」を共同主催(2002年〜)。Dumb Typeのメンバー(2013年〜)。西陣織織元「細尾」との共同プロジェクト「Quasicrystal」(2015年〜)。HATRAとのプロジェクト「Phenotype」(2025年〜)など。「Pulses/Grains/Phase/Moiré」(2018年)にて、第22回文化庁メディア芸術祭大賞に選出。「The SINE WAVE ORCHSTRA stay」(2017年〜)にてPrix ARS ELECTRONICA 2019 Honorary Mention受賞。日野浩志郎との打楽器によるアンサンブル作品「Chronograffit」(2025年)にて、第25回佐治敬三賞受賞。

http://ekran.jp/kf

宮前義之 Miyamae Yoshiyuki

A-POC ABLE ISSEY MIYAKE デザイナー

1976年東京生まれ。2001年 三宅デザイン事務所に入社し、三宅一生が率いたA-POCの企画チームに参加。その後ISSEY MIYAKEの企画チームに加わり、2011年から2019年までISSEY MIYAKEのデザイナーを務めた。2021年にスタートしたブランドA-POC ABLE ISSEY MIYAKEでは、エンジニアリングチームを率いて、A-POCの更なる研究開発に取り組む。

https://www.isseymiyake.com/pages/apocable
主催
東京都、シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT](公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京)