データで捉え、表現することを通じ、マルチスピーシーズの視点から生態系を再認識する。CCBTにおいて2024年10月に開催する「未来提案型キャンプ」に関連し、国内外のアーティスト、研究者を招き、アート、デザイン、行動学、生命の歴史物語の4つのテーマから、基調講演を開催! 第1回目は、食用の肉片を育てる、衣服のための皮革を育てる、といった再生医学を用いた革新的なプロジェクトを展開するオロン・カッツ氏が登壇します。
シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]では、生態系のデータを取得・解析する技術と、それらをデータビジュアライゼーションやアート表現として構想する「Future Ideations Camp Vol.4|生態系をデータとしてとらえる/表現する」を2024年10月に開催します。これに関連し、アート、デザイン、行動学、生命の歴史物語の4つのテーマから、全4回の基調講演を開催します。
第1回目は、西オーストラリア大学併設のバイオアート研究センター「SymbioticA」の共同創設者であり、ディレクターのオロン・カッツ氏が登壇します。食用の肉片を育てる、衣服のための皮革を育てる、といった再生医学を用いた革新的なプロジェクトを展開する同氏が、「生命」の概念とアートをテーマに講演を行います。
「バイオメディアアート」という生命科学に係る芸術活動は、「生命」という概念をいかに問い直すことができるでしょうか。本講演では、「生命科学と芸術」がもたらす視座をオロン・カッツ氏の活動と経験からお話しいただきます。
人間の行為による生態系への負の影響が課題となる現在、私たちの生活を含む生態系全体を捉える方法と、それら全体を豊かにするための新たな指針を、国内外のアーティスト、研究者の実践から学ぶ機会です。
【基調講演01】
オロン・カッツ「変わりゆく生命の概念」
日時:2024年9月21日(土)17:00~18:30
登壇:オロン・カッツ(アーティスト/SymbioticA共同創設者)
申込不要/日英同時通訳付
本講演にあたって オロン・カッツ(アーティスト/SymbioticA共同創設者):
ほとんどの言語では、生命の存在や現象を示す概念を表現する言葉はたった一つしかありません。この言語的な不足は、人類文明が生命(科学)の様々な側面に関する知識の増加にどのように関わるか、そのあり方を制限する可能性があります。さらに重要なことは、それらの新たな知識をどのように利用するかという方向性に影響を及ぼす可能性があるということです。「生命」の概念に対する私たちの理解において根本的な変化のいくつかは、細分化された閉鎖的な認識論の枠組みの中で活動する使命感ある研究者によって実験室の中で起きています。そして、その変化は、研究が生命そのものにもたらす実質的な影響を直接体験したことのない他の研究者によって文化的に分析される傾向にあります。
生命科学に直接的に関わるアートは、私たちの文化ではまだ言葉になっていないものに光を当てるのに役立つことができるでしょう。本講演では、30年にわたりアーティスト、研究者、キュレーターとして生命科学の研究室で活動してきた自身の経験を紹介します。人工生物学という重要な分野を、文化的な文脈に紐づけるのにぜひ役立ててください。
Future Ideations Camp Vol.4 基調講演02〜04|エリザベス・エナフ/村上久/中村桂子
開催日時:2024年10月12日(土)19:30〜21:00、2024年10月13日(日)18:30~20:00、2024年10月15日(火)19:00~20:30
Future Ideations Camp Vol.4
「生態系をデータとしてとらえる/表現する」成果展示
会期:10月17 日(木)~10月20日(日)13:00~19:00