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アート・インキュベーション

土井樹 展覧会「あたらしい天気」

2026.02.20(金)–2026.03.01(日)
東京都文京区千駄木3-35-12
 
会期
2026年2月20日(金)〜3月1日(日)
休館日
2026年2月24日(火)
開館時間
13:00〜19:00
会場
東京都文京区千駄木3-35-12
観覧料
無料

本展はビルの1Fおよび2Fで開催します。建物の構造上、エレベーターがなく階段での移動が必要です。 車椅子をご利用の方や階段の昇降に不安のある方は、来館予定日の2日前までに、下記メールアドレスまでご連絡ください。 対応可能なサポートについて、事前にご相談させていただきます。 問い合わせ先:contact@ccbt-art-incubation.jp
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動画・音楽制作:土井樹 旗イメージ・デザイン:加瀬透

2025年度アーティスト・フェローである土井樹による「Weather」では、プロジェクトの最終フェーズとなる展覧会を都内・千駄木にて開催。本展では、風や気温、照度といった微細な環境変化──「微気象(micro climate)」を手がかりに、私たちが日常的に「天気」と呼んでいるものが、どのように観測され、共有され、経験されてきたのかを問い直します。
2月22日(日)および3月1日(日)の14時からは、関連トークも開催します。

個人に引き寄せられたそれぞれの「天気」から、「ありえたかもしれない天気」を考える

2025年度アーティスト・フェローである土井樹は、わたしたちを絶えず包みながら意識されることの少ない「微気象(micro climate)」に焦点を当てたプロジェクト「Weather」を進行中です。「Weather」ではこれまで、従来の気象庁などによる広域データでは捉えられない、微細な環境変化を観測するオリジナルの気象センサーデバイスの設計・開発や、個々の小さな天気を観測し、共有するワークショップの開催などを展開してきました。

天気とは、予報やデータとして一定の基準に則って公に共有される一方で、人のその日の体調や気分によって個々それぞれに感じられる、生活に密接に関係しながらも私たちの意思では左右できない他律的な現象です。

本展では、プロジェクトを通じて収集されるリアルタイムの微気象データを出発点に、通常とは別の方法で呼ばれ、測られていたかもしれない──ありえたかもしれない天気を思考する場を生み出します。数値でも言葉でもないかたちで立ち現れる天気と、その計測や想像の痕跡に触れ、わたしたちの知覚や認知に根ざした、より自由で豊かな「あたらしい天気」を体感してください。

会期中、2月22日(日)および3月1日(日)の14時からは、関連トークも開催します。

Weather

従来の気象庁などによる広域データでは捉えられない、風の流れ、気温、照度といった微細な環境変化──「微気象(micro climate)」を、市民自らが観測し、データと観測行為そのものをコモンズとして共有する。集められた情報は、音・光・触覚といった言語以前の知覚体験へと写像/変換することを試み、プロジェクトを通じて個人に引き寄せられた「天気」は、作品として再び公に開かれる。これらを通じて、言語やイメージに偏った今日的な社会において、人間の知覚・認知に根差した「別種の知」を取り戻すことを目指す。

開催概要

土井樹「あたらしい天気」
会期:2026年2月20日(金)〜3月1日(日)13:00〜19:00 ※最終入館18:30
休館:2026年2月24日(火)
会場:東京都文京区千駄木3-35-12
観覧料:無料

※本展はビルの1Fおよび2Fで開催します。建物の構造上、エレベーターがなく階段での移動が必要です。
車椅子をご利用の方や階段の昇降に不安のある方は、来館予定日の2日前までに、下記メールアドレスまでご連絡ください。対応可能なサポートについて、事前にご相談させていただきます。
問い合わせ先:contact@ccbt-art-incubation.jp

関連トーク「屋上から」
日時:2026年2月22日(日)、3月1日(日)14:00〜
会場:東京都文京区千駄木3-35-12
スピーカー:
<2月22日>下西風澄(哲学者)、渡辺志桜里(アーティスト)、涌井智仁(美術家、音楽家、WHITEHOUSEディレクター・キュレーター)、土井樹
<3月1日>村井琴音(リサーチャー)、evala(音楽家、サウンドアーティスト、「See by Your Ears」主宰)、池上高志(理学博士(物理学)、東京大学広域システム科学系 教授)*事前収録、土井樹
観覧料:無料 ※事前申込不要

アクセス

東京都文京区千駄木3-35-12

東京メトロ千代田線千駄木駅より徒歩2分

「Weather」の流れ

1. 気象センサーデバイスの設計・開発

従来の気象庁などによる広域データでは捉えられない、温湿度、気圧、風向、風速といった微細な環境変化を観測するオリジナルの気象センサーデバイスを設計・開発。

2. ワークショップ「天気をつくる」の開催

1.で開発したデバイスを自宅のベランダや職場の窓ぎわなどに設置し、それぞれの天気を観測し、共有することを通じて、プロジェクトに参加するメンバーを募集。ワークショップでは、参加者自らの手でセンサーの組み立てを行うとともに、土井による気象にまつわるレクチャーも実施。

3. ウェブアプリケーション「Refuge」の公開

プロジェクトメンバーにより集められたデータは、オリジナルのウェブアプリケーション「Refuge」で共有。それぞれの知覚に基づく小さな天気がゆるやかにつながります。

4. 展覧会「あたらしい天気」の開催

2.3.を通じて収集されたリアルタイムの微気象データを出発点に、通常とは別の方法で呼ばれ、測られていたかもしれない──ありえたかもしれない天気を思考する場を創出。

ワークショップ「天気をつくる」の様子

クレジット

プロジェクトディレクション/アーティスト:土井樹
アートディレクション:涌井智仁(WHITEHOUSE)
テクニカルディレクション:村川龍司(arsaffix)、浪川洪作 (7ild3)
テクニカルサポート:イトウユウヤ(arsaffix)、伊藤隆之(CCBT)
機材協力:井上岳(GROUP)、渡辺志桜里
インストール:駒木崇宏、石毛健太
プロジェクトマネジメント:金森千紘(infans.)、見目はる香(oar press)
グラフィックデザイン:加瀬透、宇呂映作
記録撮影:新津保建秀
記録映像:薛大勇


CCBT「アート・インキュベーション・プログラム」とは

CCBTのコアプログラムのひとつである「アート・インキュベーション」は、クリエイターに新たな創作活動の機会を提供し、そのプロセスを市民(シビック)に開放することで、都市をより良く変える表現・探求・アクションの創造を目指すプログラムです。公募・選考によって選ばれる5組のクリエイターは、「CCBTアーティスト・フェロー」として、企画の具体化と発表、創作過程の公開やワークショップ、トークイベント等を実施し、CCBTのパートナーとして活動します。

土井樹

「Weather」

土井樹Doi Itsuki

音楽家、複雑系研究者、Alternative Machine Inc. シニアリサーチャー

社会性生物の群れの同期現象などをテーマに研究を行うとともに、 人工システムを含む「他者」が持つ固有の経験や感じ方を、その存在自身の立場から理解するための手段をテーマとして作品制作を行っている。主な展覧会に「ALTERNATIVE MACHINE」(2021年、WHITEHOUSE) 、「海の見方を忘れた」(2022年、Jinnan House)、「MONAURALS」(2023年、WHITEHOUSE)、「Harsh Listening」(2025年、LEESAYA)。主な音楽作品に『Peeling Blue』(CD、2017年)。

https://cotofu.com/
photo: Kenshu Shintsubo

下西風澄Shimonishi Kazeto

哲学者

1986 年生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学。哲学や文学を中心に執筆活動を行う。 著書に『生成と消滅の精神史 終わらない心を生きる』(2022年、文藝春秋)。 執筆に「生まれ消える心─傷・データ・過去」(2023年、『新潮』)、「演技する精神へ─個・ネット・場」(2023年、『文學界』)、「ぼくは言語」(2023年、『群像』)、「青空を見つめて死なない」(2024年、『ユリイカ』)など。詩に「風さえ私をよけるのに」(2016年、『GATEWAY』)、「ぼくたちは死んでいく。」(2020年、朝日新聞)ほか。

渡辺志桜里Watanabe Shiori

アーティスト

1984年東京都生まれ。2015年に東京藝術大学美術学部彫刻科を卒業後、17年に同大学大学院を修了。全体性を主軸に、個々が集合した現象と、その個に携わる⾝体の境界に焦点を当てて制作を行う。⽣態系の場において個々の種に潜む資本主義やグローバリズムといった問題を、⽣殖やフェミニズムといったテーマと結びつけ、⼈間社会を含むエコロジーのあり⽅を模索する。主な展示に「宿」(2024年、資生堂ギャラリー)、「BLUE」(2024年、SACS)、「MEET YOUR ART FESTIVAL 2023」(2023年、寺田倉庫)、「とうとうたらりたらりらたらり あがりららりとう」(2022年、新宿歌舞伎町能舞台)、「ベベ」(2021年、WHITEHOUSE)など。

https://shiori-watanabe.com/biography
ざらついたモノクロ画面に、ドア枠の前で薄いガラス越しにこちらを直視する男性の写真

涌井智仁Wakui Tomohito

美術家、音楽家、WHITEHOUSEディレクター・キュレーター

1990年新潟県生まれ。主な展覧会に「nonno」(2016年、8/ART GALLERY/Tomio Koyama)、「Dark Independants」(2020年、オンライン/都内某所)、「JUNK’S PORTS」(2023年、ANOMALY、東京)、「電気-音」(2023年、金沢21世紀美術館)、「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」(2024年、東京都現代美術館)など。

https://tomohitowakui.com/https://7768697465686f757365.com/

村井琴音Murai Kotone

リサーチャー

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程在籍。研究対象は、ロシア・ウクライナ戦争中に行われる居住空間の改変と命を守るために行われる空間実践。2025年10月より東京大学先端科学技術研究センターROLESにてインターンシップ。2023年せんだいデザインリーグ卒業設計日本一決定戦 全国10選選出など。研究と制作の傍らで執筆活動を続ける。

photo: Susumu Kunisaki

evalaevala

音楽家、サウンドアーティスト、「See by Your Ears」主宰

既存のフォーマットに依拠しない立体音響システムを駆使した独自の“空間的作曲”によって、聴覚の潜在能力を覚醒させる没入体験を展開。無響室から広大な庭園、廃墟から公共空間、美術館や劇場に至るまで、多様な場でのサウンドインスタレーションを発表し国際的に高い評価を得ている。2025年、アルス・エレクトロニカ賞にてIsao Tomita Special Prizeを受賞。

池上高志Ikegami Takashi

理学博士(物理学)、東京大学広域システム科学系 教授

複雑系の科学・人工生命を専門とする。著書に、『動きが生命をつくる』(2007年、青土社)、 『人間と機械のあいだ』(共著、2016年、講談社)、『作って動かすALife ―実装を通した人工生命モデル理論入門』(共著、2018年、オライリージャパン)など。またアート活動として、「filmachine」(2006年、with 渋谷慶一郎、YCAM)、「ScaryBeauty」(2018年、with 渋谷慶一郎、未来館)、「傀儡神楽」(2020年、Mutek Japan)、「MTM2」(2023年、with Alternative Machine Inc.、東京大先端研)など。

企画・制作
土井樹
主催
シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT](公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京 )
協力
株式会社ルミネ、株式会社オルタナティヴ・マシン

特別協力:三田 豊(東邦レオ株式会社) 支援:Swiss National Science Foundation (Grant No. 10002211)