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岸裕真

岸裕真

人工知能(AI)を「Alien Intelligence(エイリアンの知性)」と捉え直し、人間とAIによる創発的な関係「エイリアン的主体」を掲げて、自ら開発したAIと協働して絵画、彫刻、インスタレーションの制作を行う。

採択年度

2025年

活動名

平行植物園

活動概要

植物的視点から現代の人工知能(AI)を捉え直した、「植物知性(BI・Botanical Intelligence)」を開発するプロジェクト。光・風・土壌などの多元的な環境データを精緻にセンシングし、テキストや音声を出力する「生成BI」の実装を通して、人間・人間以外が共に繁栄できる「コモンズ」の開拓を目指す。完成したシステムはインスタレーション作品として屋外会場にて公開するほか、研究開発の過程では専門家との協働や、シンポジウム、ポッドキャスト等を展開予定。CCBTを拠点に、すべての存在にとっての共有資源である自然から思考し、新しい共栄地帯を発見することに挑む。本プロジェクトのタイトルにある「平行植物」は、レオ・レオーニの同名作品——実在しない植物の生態や特徴を記した架空の植物誌——に着想を得ている。

シンポジウム

「Botanical/Artificial Intelligence
植物とAIから考える知性のかたち」

開催日時:2026年1月25日(日)14:00〜16:30|ワークショップ
会場:LIFORK HARAJUKU(渋谷区神宮前1-14-30 WITH HARAJUKU 3F)

ポッドキャスト「Parallel Plants Prompts」

岸裕真と、ナビゲーター・中山祐之介が、花屋、庭師、そして純粋に植物を愛する人々を訪ねるPodcastシリーズ。

2026年1月より、毎月一回公開予定。

#01|植物に「選ばれている」のは、人間の方かもしれない|下北沢 ユー花園

◆出演

・ゲスト:波多野 以織さん(下北沢 ユー花園)
・アーティスト:岸 裕真
・ナビゲーター:中山 祐之介(Firstthing)

#02|植物は「パチパチ」と、過去を記憶している|埼玉大学 蔭山健介教授

第2回は、埼玉大学の蔭山健介教授のもとを訪ねました。
材料工学の視点から植物が発する「音」を研究する蔭山先生の研究室は、無数のセンサーや測定器に囲まれた空間でした。

私たちは植物を「動かない静かな存在」だと思っていますが、彼らは人間の耳には聞こえない周波数で、絶えず「パチパチ」と何かを語り、過去を記憶しているのかもしれない――。
植物の体内で弾ける泡の音(AE:アコースティック・エミッション)を通して、生命の知性の在り方を探ります。

#03|花とミツバチは「電気」で引き合っていた|東京農工大学 レンゴロ教授

第3回のゲストは、東京農工大学で「エアロゾル(大気中に浮遊する微粒子)」を研究するレンゴロ教授。

私たちの目の前にある透明な空気は、実は無数の粒子で満たされています。
レンゴロ先生の研究室では、植物がその「見えない粒子」とどう接触し、取り込んでいるのかを、工学的なアプローチで可視化しています。

先生との対話の中で飛び出したのは、花とミツバチが実は「静電気」で引き合っているという驚きの事実でした。香りや色だけでなく、見えない「電気」が生命をつないでいる。物理学の視点で見れば、植物はただそこに生えているだけでなく、空気中の粒子や電気信号をキャッチする巨大な「センサー」なのかもしれません。ミクロな世界で繰り広げられる、植物たちの知られざる物理現象に迫ります。

#04|都市の営みが土に還る。日本最小の植物園の「大きな」エコシステム|渋谷区ふれあい植物センター

第4回のゲストは、渋谷駅からほど近い場所にある「渋谷区ふれあい植物センター」園長の小倉崇さん。ここは「日本で一番小さな植物園」でありながら、都市と自然を繋ぐ壮大な実験場でもあります。

面白さは、そのユニークな成り立ちにあります。隣接する清掃工場の電力で稼働するこの場所は、単に植物を鑑賞する施設ではありません。都市で暮らす人々の日常の営みや、そこから生まれるゴミといったものが、巡り巡って「街の中で植物を育てる力」へと還元されていく。物理的な空間は日本最小ですが、そこから広がるエコシステムは、植物園の敷地を越えて街全体へと繋がっています。

#05|いとうせいこうと語るボタニカルインテリジェンス。ベランダで目撃した、したたかな知性|いとうせいこう

第5回のゲストは、作家・クリエイターであり、ベランダで植物を育てる人々を「ベランダー」と名付けて独自のボタニカル・ライフを提唱してきた、いとうせいこうさん。

多種多様な植物とベランダで格闘し、時に翻弄されてきた、いとうせいこうさん。長年の観察と対話の中で見えてきたのは、ただそこにあるように見える植物たちが持つ、驚くほど戦略的で「したたかな」知性でした。

プロフィール

撮影:手塚 なつめ

岸裕真Kishi Yuma

アーティスト

AIを「Alien Intelligence(エイリアンの知性)」と捉え直し、人間とAIによる創発的な関係「エイリアン的主体」を掲げて、自ら開発したAIと協働して絵画、彫刻、インスタレーションの制作を行う。2023年よりほぼすべての制作において、AIモデル「MaryGPT」がキュレーションを担当。主な活動として、個展「Oracle Womb」(2025年、 √K Contemporary)、参加展覧会「DXP2」(2024年、 金沢21世紀美術館)など。受賞歴に「CAF賞2023」入選など。主な著書に『未知との創造:人類とAIのエイリアン的出会いについて』(誠文堂新光社)がある。

「アート・インキュベーション・プログラム」とは

CCBTのコアプログラムのひとつである「アート・インキュベーション」は、クリエイターに新たな創作活動の機会を提供し、そのプロセスを市民(シビック)に開放することで、都市をより良く変える表現・探求・アクションの創造を目指すプログラムです。公募・選考によって選ばれる5組のクリエイターは、「CCBTアーティスト・フェロー」として、企画の具体化と発表、創作過程の公開やワークショップ、トークイベント等を実施し、CCBTのパートナーとして活動します。
詳細ページ:CCBT「アート・インキュベーション・プログラム」

同年度の採択フェロー