東京から世界をインスパイアする新たなアート表現の創造・研究開発を行う「アーティスト・フェロー」では、選出されたフェローに制作費のサポート、スペース・機材提供、専門家によるアドバイス等を受け、企画を具体化し都内で発表を行います。また、CCBTにおけるワークショップの実施、レクチャーの講師を務めることなどを通して、CCBTを共につくりあげます。
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ともに「遊び」をコアのテーマに、創造性を育む道具のデザインや社会や都市に介入するアート・プロジェクトを国内外で展開している木原共とPlayfool(コッペン・ダニエル、コッペン・サキ)のチーム。人間には認識できるが、AIには認識できないモチーフを描くゲームを通して、AIによる世界の認識の仕方を遊びながら探究していくプロジェクトを展開し、ワークショップや展示を実現します。担当するメンターは伊藤隆之氏(山口情報芸術センター [YCAM] R&Dディレクター)、細川麻沙美氏(札幌国際芸術祭事務局統括マネージャー)です。
CCBTでの経過発表は、これまで開発されたデヴィエーションゲームのデモンストレーションから始まりました。木原さんがゲーム画面を投影し、抽象的な線を描き始めます。
ルールとしては簡単で、AIに正解をあてられる前に「何を描いているか」をあてるものです。「何が描かれているか」と会場から様々な答えがでますがなかなか正解に至りません。まさにAIと人間による想像力の勝負のようです。ポップなビジュアルもあり、笑いも起きる楽しい体験となりました。
イミテーション(模倣)からデヴィエーション(逸脱)へ
もともと本企画は、1950年に数学者のアラン・チューリング(1912-1954/英国)が人間の知能を模倣する人工知能(AI)を提唱した「イミテーションゲーム(模倣のゲーム)」を参照しています。2022年の現在、私たちを取り巻くAIの急速な進化は著しく、すでに人間を模倣するAIが当たり前になりつつあります。
そんな時代背景のなかで、デヴィエーションゲーム(逸脱のゲーム)が生まれました。本企画ではワークショップや展覧会、トークなどといった多様なイベントを通じて、過去の模倣ではなく過去からの逸脱を、AIと共創することを目的とします。
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企画段階から、メンターとの面談、オランダのゲームミートアップでのテストプレイ、CCBTを活用したプレイテストを経てゲームの完成度があがってきました。CCBT内のラボを拠点にして、3月に予定している展覧会「Deviation Game ver 1.0」にむけ、さらに企画を進めます。
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面談では「文脈は抑えつつもゲームとして参加できるカジュアルさがあり、良い飛躍を遂げた」「AIは怖いという側面もあるが、その意味やなぜ怖いかを理解できることが大事」といった意見が交換されました。
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Tomo Kihara + Playfool「Deviation Game ver 1.0」
会期:2023年3月4日(土)〜3月21日(火・祝)13:00~19:00
会場:シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT
主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団
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2022年度 CCBTアーティスト・フェロー 活動報告会
日時:2023年3月21日(火・祝)15:00~19:00
会場:シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]
プレゼンター:犬飼博士(未来の東京の運動会) 平本知樹(FORMING SPHERES) Tomo Kihara + Playfool(Deviation Game ver 1.0) 浅見和彦 + ゴッドスコーピオン + 吉田山(Augmented Situation D) SIDE CORE(rode work ver. under city)
ゲスト登壇者(本プログラムメンター): いすたえこ(アートディレクター・グラフィックデザイナー) 岩屋民穂(グラフィックデザイナー) 齋藤精一(パノラマティクス主宰) 細川麻沙美(札幌国際芸術祭事務局統括マネージャー)ほか