アート、テクノロジー、デザインの多様なトピックを学ぶCCBT Meetupプログラム。MPLUSPLUS「Embodiment++」に関連し、人間拡張工学の研究者や、音楽、アートの分野で活動をする様々なクリエイターを迎えたMeetupを開催します。
人間拡張工学によって変わる、表現と経験
日時:2023年9月29日(金)19:00-21:00 ※会場でのロボットアームによるパフォーマンスは18:00回にて終了いたします。
定員:40名(事前申込不要/先着順) 参加無料
ゲスト:稲見昌彦(東京大学 総長特任補佐・先端科学技術研究センター 副所長/教授)
出演:藤本実(研究者、アーティスト/MPLUSPLUS)
本トークイベントのゲストである稲見昌彦氏は、機械による「自動化」と並立する概念として、「自在化」を提唱してきた研究者です。「自在化」とは、ウェアラブル技術やロボット工学・制御技術を駆使したデジタルサイボーグにおいて、身体に組み込まれた技術を意識することなく、人間がやりたいことを時空や身体的制約を超えて実現する「人間拡張」の状態を指しています。これを実現する手法として稲見氏が進める人間拡張工学の研究は、再帰性投影技術による「光学迷彩」から、眼電位を計測可能なメガネ 「JINS MEME」、超人スポーツ 「Bubble Jumper」、そして2023年に発表された「自在肢−JIZAI ARMS: SOCIAL DIGITAL CYBORGS」にまでおよびます。そして、この人間拡張工学の研究には、人間拡張や自在化がなされたときの人間の認知や行動を探る、言わば人間自体の理解までもが含まれています。
藤本もまた、テクノロジーによって身体を超える動きをつくり出すことで、人間の潜在的な身体性や、ありえるかもしれない私たちの身体の動きを提起しています。本トークイベントでは、デジタルサイボーグや人間拡張工学の視点から、メタバースやサイボーグなどのテクノロジーによって進化する人間の表現や経験、そして「Embodiment++」の作品を考えていきます。
ゲスト
稲見昌彦
東京大学 総長特任補佐・先端科学技術研究センター 副所長/教授
東京大学大学院工学系研究科博士課程修了 博士(工学)。電気通信大学、慶應義塾大学等を経て2016年より現職。 自在化技術、人間拡張工学、エンタテインメント工学に興味を持つ。 米TIME誌Coolest Invention of the Year、文部科学大臣表彰若手科学者賞などを受賞。 超人スポーツ協会共同代表、情報処理学会理事、日本バーチャルリアリティ学会理事、日本学術会議連携会員等を兼務。 著書に『スーパーヒューマン誕生!人間はSFを超える』(NHK出版新書、2016年)、『自在化身体論――超感覚・超身体・変身・分身・合体が織りなす人類の未来』(NTS、2021年)他。
音楽と身体が拓く、表現の進化
日時:2023年10月13日(金)19:00-21:00 ※会場でのロボットアームによるパフォーマンスは18:00回にて終了いたします。
定員:40名(事前申込不要/先着順) 参加無料
ゲスト:ケンモチヒデフミ(サウンドプロデューサー、トラックメイカー、DJ、作詞家、作曲家)
出演:藤本実(研究者、アーティスト/MPLUSPLUS)
MPLUSPLUS「Embodiment++」で上演するパフォーマンス作品の楽曲には、サウンドプロデューサーであり、「水曜日のカンバネラ」の音楽を担当するケンモチヒデフミ氏が参加しています。
ケンモチ氏は、個人名義にてクラブジャズ系のアルバムをリリースし、現在はダンスジャンルである「シカゴフットワーク」を織り交ぜた独自のライブ/DJなどでも注目されています。超高速のステップを踏む「シカゴフットワーク」は、音楽とダンスが相互に影響しあう新しいカルチャー・シーンを形成しています。
「Embodiment++」において、藤本実が、人間を超える動き・速さ・解像度をもつロボットを振り付けるとき、ケンモチ氏の挑戦的な楽曲がインスピレーションとなりました。音楽との相互作用でダンス表現のスタイルが発展するように、ロボットによるパフォーマンスとの相互作用で人間の潜在的な身体性が発揮されるーー。本作の様々な場面でも、テクノロジーと表現、テクノロジーと人間との関係性が模索されています。
本トークイベントでは、「Embodiment++」における楽曲とロボットの動きについてクリエイターが自ら解説。さらに、ポップスのみならず先端的な音作りにも挑戦するケンモチ氏と藤本が、音楽やダンス、ステージパフォーマンスにおける表現の進化について対談を行います。
ゲスト
ケンモチヒデフミ
サウンドプロデューサー、トラックメイカー、DJ、作詞家、作曲家
「水曜日のカンパネラ」の音楽担当。femme fatal、電音部、ano、iri、xiangyuなどのアーティストの楽曲やCM・劇伴なども幅広く手掛ける。『Kenmochi Hidefumi』名義ではHydeout Productionsよりクラブジャズ系のアルバムをリリース。現在はシカゴフットワークを織り交ぜた独自のライブ/DJなどで活動中。
VRと身体、パフォーマンスの未来
日時:2023年11月3日(金・祝)19:00-21:00 ※会場でのロボットアームによるパフォーマンスは18:00回にて終了いたします。
定員:40名(事前申込不要/先着順) 参加無料
ゲスト:せきぐちあいみ(VRアーティスト)
出演:藤本実(研究者、アーティスト/MPLUSPLUS)
MPLUSPLUS「Embodiment++」では、ロボットによるパフォーマンス作品を通じ、デジタルクリエイティブの創造性を、テクノロジーによる「身体性」から探求しています。テクノロジーがもたらす「身体性」は、仮想空間上のアバターや、ヘッドマウントディスプレイ装着時の身体の描写など、私たちにも身近なトピックとなりつつあります。メタバースやバーチャル・リアリティと実空間をつなぐ身体の認識や感覚については、様々な研究が進んでいますが、新たな「身体性」とは、今後どのような表現を可能にするのでしょうか。
本トークでは、VR空間に3Dの絵を描くVRアーティストとして国内外で活躍するアーティスト・せきぐちあいみ氏をゲストに迎えます。せきぐち氏による創作は、描いたVRアート作品のみならず、ヘッドマウントディスプレイを装着したパフォーマンスも注目されています。本トークでは、せきぐち氏の創作スタイルにある「身体性」や表現に迫るとともに、ダンサーでもある藤本実との対話を通じて、バーチャル・リアリティが可能にするパフォーマンスや表現の未来を考えていきます。
ゲスト
せきぐちあいみ
VRアーティスト
2016年よりVR空間に3Dの絵を描くVRアーティストとして活躍。 国内外でアート制作やライブペインティングのステージ公演を精力的に行う。2019年にはロシアで開催された技能五輪の閉会式でVRアートを描くパフォーマンスを披露。2020年にはVRchat内で個展「Museum-Of-Vrpainting」を発表し、翌年のヴェネチア国際映画祭のVenice VR Expandedでも紹介された。また、2021年からはNFTアート作品も発表。作品「Alternate dimension 幻想絢爛」がNFTオークションにて約1,300万円にて落札され、話題を集めた。「2021 Forbes JAPAN 100」選出。
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