世界初、人間不在の巨大ロボットアームによるパフォーマンス作品を披露。
テクノロジーと身体表現の関係を、MPLUSPLUSの活動から紐解く。
楽曲にはサウンドプロデューサー・ケンモチヒデフミも参加。多様な研究者やアーティストも参加し、テクノロジーによって拡張しゆく未来の「身体性」を考える。
シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]では、音・映像・光によるステージ演出で活躍するMPLUSPLUS(エムプラスプラス)による展覧会「Embodiment++(エンボディメント・プラスプラス)」を開催します。
テクノロジーとステージパフォーマンスを融合した表現は、日本のメディアアート分野の特徴として世界的に評価されてきました。CCBTでは、こうした表現を探求する次世代のアーティストの活動を通し、アート&テクノロジーにある、技術とそれらを総合芸術へと拓くクリエイティビティをご紹介します。
本プログラムでは、MPLUSPLUSが新たに挑戦する、人間を超えるロボットによるパフォーマンス作品を披露。さらに、これまで開発してきたプロダクト約10種類を初めて総合的に紹介。また、会期中には、「テクノロジーによる身体の拡張」を、研究者やアーティストとともに考えるトークも開催します。
■プログラム概要
テクノロジーによって拡張する身体。
実世界、バーチャル世界にある、私たちの未来の「身体性」を問いかける。
MPLUSPLUS代表の藤本実は「人間の身体をアップデートする」ことを、ステージパフォーマンスの演出等を通じて行なってきました。
今回、新たに発表する作品は、藤本がこのためのひとつの手立てとして取り組む、人間を超えるロボットによるインスタレーションです。ロボット、テクノロジーによる「身体性」を私たちは受け止め、かつ超えることができるのか。AIをはじめとする人間を拡張しゆく知性が顕在化する現在に、本作ではテクノロジー化する新たな「身体性」を提示します。
▶︎ 3つのインスタレーションがなす、人間不在のパフォーマンス
MPLUSPLUS代表の藤本実はダンサーである自身の経験をもって、ウェアラブルコンピューティングの研究で博士工学を取得。大学教員を経て独自のLED装置の開発と展開をMPLUSPLUSとして行ってきました。
本プログラムで新たに紹介するのは、世界初・パフォーマンス専用ロボット3種で構成された人間不在のパフォーマンス/インスタレーション作品です。本作には、「動き」「音」「光」の3つの要素の制御システムを研究開発してきた藤本氏が手がけた巨大なロボットアームが登場。アームのひとつは、1秒間に最大5回転の超高速でパフォーマンス。さらに、天吊りアームには、LED光が付けられており、暗転された空間で来場者は光の動きのみを知覚します。人間の動きを模したシステムを有し、かつ人間よりも高速・高解像度の動きを実現するロボットが放つ光に、私たちは全く新しいパフォーマンス作品を体験します。
展示作品
「Unknown RhythmsーHumanized Clock」(新作)
「Morphing Elegance ーRobotic Choreographer」(2018年/2023年改訂)
「Vitality of LightーLight-emitting Existence」(新作)
▶︎ 10周年を迎えるMPLUSPLUSのプロダクト約10種類を展示。最新作のドローンフラッグまで
MPLUSPLUSは、EXILEやAKB48等のLEDを用いたステージ演出や、「アメリカズ・ゴット・タレント」でのパフォーマンス等でも知られています。彼らは、ダンサーやミュージシャンなどの演者のためのツールとしてプロダクトやシステムを多数開発し、アート&テクノロジーを総合芸術として拓いてきました。
本プログラムでは、2013年の設立以来、MPLUSPLUSが10年間にわたって開発・発表してきたオリジナルのプロダクト約10種類を紹介します。LED9,000個、450個のデジタル数字による初期のプロダクトから、LED17,280個を搭載した縦6.8m横2.6mの布ディスプレイの最新作までを総合的に展示します。実際に来場者が触って体験できるほか、一定時間毎には独自の制御システムが稼働し、会場内の全プロダクトと音楽とが連動するインスタレーションへと変貌します。
▶︎ 幅広い研究分野・カルチャーシーンを紹介する関連イベントを開催
会期中には人間拡張工学の研究者や、メディアアート、デザイン、ダンス等の分野で活動をする様々なアーティストによるトークやワークショップを開催します。本プログラムを通じ、身体情報学からメディアアート、ダンス、音楽まで幅広い研究分野・カルチャーシーンを一望します。