ピクトグラム、看板の矢印、店員のお辞儀、駅員の手の動き——街は、誰かが発明し、誰かに伝わり、変奏されてきた「コード」であふれています。
2026年度CCBTアーティスト・フェロー 05(牧原依里+和田夏実)による“KINEOTYPE”のオープンラボ第2回は、街に出てコードを採集します。ゲストには、ドラマトゥルク、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科教授の長島確氏、DeafSpace研究者の福島愛未氏を迎えます。
2026年度アーティスト・フェロー 05(牧原依里+和田夏実)によるプロジェクト「KINEOTYPE」では、一人ひとりの頭の中の世界(思考表象)、相手に伝えるためのシグナル、仕草や動き、身振りや伝え方の探求・実験をしながら、共に「KINEOTYPE」を作っていくためのラボ活動「KINEOTYPE CREATE」を行っています。
「KINEOTYPE CREATE」のオープンイベントでは、全4回のトーク・ワークショップを開催します。第1回で目を向けたのは、私たち一人ひとりの「頭の中」に広がる世界。第2回となる今回は、そこから視点を外側へと移し、空間やサイン、街の中にすでに存在しているさまざまな「コード」を観察していきます。
街には多くのコードが埋め込まれています。ピクトグラム、看板の矢印、店員のお辞儀、信号の合図、地図の凡例、駅員の手の動き、子どもの指差し——それらは誰かが発明し、誰かに伝わり、誰かに変奏されてきたものです。しかし、異なる文化圏や言語、身体経験を持つ人にとっては、同じコードでも異なった見え方をしています。
本イベントでは、まず、ろう者の身体感覚や視覚的なコミュニケーションにもとづく建築・空間設計の考え方である「DeafSpace」における事例や、窓や鏡を活用した空間づくりをヒントに、空間と身体の関係について考えます。その後は原宿の街へ出て、ピクトグラムや看板などの明示的なコードと、人々の身振りや所作の中でコードとして機能しているものを採集します。持ち帰ったコードを参加者同士で共有しながら、それぞれの意図と意味を探ることで、異なる前提を持つ人同士の街でのコミュニケーションや空間のあり方について共に考えましょう。
「KINEOTYPE CREATE」オープンラボ 今後の開催予定(随時更新)
各回の詳細・参加者募集については、今後CCBTウェブサイトにて順次公開いたします。
■第1回|頭の中はどう動いているか *終了
日時:9月22日(火・祝)13:00-16:00
会場:シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]3F BASE
■第2回|日常の中のコードを採集する:空間・街と言語
日時:10月24日(土)13:00-17:00
会場:シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]B1 STUDIO
ゲスト:長島確(ドラマトゥルク、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科教授)、 福島愛未(DeafSpace研究者)
*当日は原宿の街歩きを予定。
■第3回|伝えるを発明する
日時:11月29日(日)13:00-16:00
会場: シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]3F BASE
ゲスト:小野寺修二(カンパニーデラシネラ)、藤田桃子(カンパニーデラシネラ)
■第4回|技術と言語を巡る
日時:12月12日(土)14:00-17:00
会場: シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]3F BASE
留意事項
- ワークの内容は記録・撮影し、CCBTウェブサイト等で公開する場合があります。撮影を希望されない場合は当日スタッフまでお申し出ください。
- そのほか必要な配慮がある方は、申込フォームの該当欄にご記入ください。
申込方法
下記、申込フォームより申し込みください。(別ページに移動します)
プロジェクト「KINEOTYPE」
視覚言語である手話を第一言語として使用する作家らが、身体動作や視覚表現を起点に都市空間と身振りの関係性を再発見し、新たなコミュニケーションのあり方を設計・実装するプロジェクト。ろう者と聴者の協働のもと、多様な身振りを収集・分析し、デジタルアーカイブとして共有基盤化する。さらに、見通しや距離、光の活用等、視覚言語的空間設計の原理を応用した仕掛けを公共空間に実装し、参加型パフォーマンスを通じて身振りによる相互作用の創出を試みる。

プロジェクト背景
何も共有しない者たちの共通言語・コミュニケーションをかたち作る
A Gesture among Those Who Have Nothing in Common
哲学者アルフォンソ・リンギスは、著書『何も共有していない者たちの共同体』(The Community of Those Who Have Nothing in Common, 1994)で、意味・言語・文化・経験を共有しない者同士の間に、それでもなお立ち上がる応答の関係を「もう一つの共同体(the other community)」と名づけました。
合理的共同体は、共通言語と共通の前提のもとで成立します。しかし身振り、声、沈黙、笑い、息——それらは合理的共同体の外側で起こる出来事です。リンギスは、痛みを発する声、別れを告げる仕草、死を看取る手のひらに、もう一つの共同性の手触りをみつけました。
・共通の言語を持たない者同士が、どうコミュニケーションしうるか
・共通の身体経験を持たない者同士が、どう共にあれるか
文化の前提を共有しない人々が同じ場に集まったとき、何が立ち上がるか。本プロジェクトは、それを実験として実施し、普遍的なコミュニケーションの営みや可能性を通して探求します。
CCBT「アート・インキュベーション・プログラム」とは
CCBTのコアプログラムのひとつである「アート・インキュベーション」は、クリエイターに新たな創作活動の機会を提供し、そのプロセスを市民(シビック)に開放することで、都市をより良く変える表現・探求・アクションの創造を目指すプログラムです。公募・選考によって選ばれる5組のクリエイターは、「CCBTアーティスト・フェロー」として、企画の具体化と発表、創作過程の公開やワークショップ、トークイベント等を実施し、CCBTのパートナーとして活動します。






