テクノロジーを自らの手で使い、「面白さ」の原理を探る。
アート&テクノロジーを実践的に学ぶプログラム「アート×テックラボ」。令和5年度の「アート×テックラボ」は、テクノロジーを理解し表現方法を発見するとともに、さまざまな参加者とともに新しい「なにか」を創造していきます。
第1弾は、アニメーションや動画コンテンツに使用されるテクノロジーを実際に手を動かしながら体験し、面白さの原理についてみんなで探究し、新しい発見を共創します。
スマートフォンの普及によって、誰でも手軽に撮影と編集を行い、映像を発信できるようになりました。その映像は、YoutubeやTikTokといった場で発表され、多くの人を楽しませています。なぜ、私たちはそれらの映像コンテンツを面白いと感じるのでしょうか?アニメーションや動画コンテンツに使用されるテクノロジーを実際に手を動かしながら使ってみることで、面白さの原理について考えていきます。
プラクシノスコープ(Praxinoscope)は、1877年にフランス人発明家のエミール・レイノーによって発明されたアニメーションの再生装置。円柱の内側に少しずつ変化する絵を描き、回転させることで、円柱軸に設置された鏡に映った絵があたかも動いているように見せてくれます。
本ワークショップは、デジタルカメラで撮影した連続写真とプラクシノスコープキットを組み合わせ、世界で1つだけのアニメーションづくりに取り組みます。絵のうまさではなく、面白いアイデアをみんなで考え、意見交換をしなが工夫や改良を加えることで、それぞれオリジナルの作品を作り出します。完成後はいろいろな感想を語り合うとともに、持ち帰り家族や友達とともに見ることで、CCBTに留まらない体験を紡ぎ出すことを目指します。
鏡面を用いるプラクシノスコープの仕組みは、3D映像装置に用いられるなど現在の技術にまでつながっています。映像が身近に用いられる今日だからこそ、改めて過去の技術から映像の仕組みについて知る面白さがあります。あわせて、デジタルカメラでの撮影という日常の動作を結びつけることで、過去のテクノロジーがいかに現在につながっているかをワークショップを通じて体験しながら学びます。
◆ワークショップの流れ
- プラクシノスコープ紹介
- グループに分かれて、撮影&プリントアウトタイム
- プラクシノスコープづくり
※時間内で複数つくることもできます - 作品発表
- まとめ
参考写真:小学校で行われたワークショップの様子(提供:橋本典久)
◆「アート×テックラボ」とは
コアプログラムのひとつで、デジタルファブリケーション機器を活用し、アート&テクノロジーを実践的に学ぶワークショップを行うプログラム。デジタルクリエイティブに出会う場として、各分野の専門家を講師に迎えたワークショップを実施し、テクノロジーを活用するための知識や方法を学ぶことを目指します。