「宇宙技芸」を提唱する哲学者ユク・ホイ、メディアアーティストの藤幡正樹など世界4都市から哲学者、キュレーター、アーティストが集う全2回のシンポジウムを開催。
デジタルテクノロジーによる変革の時代に、芸術と技術が社会において果たすべき役割とは? 哲学的な視点とキュレーションから、アート&テクノロジーの新たなコンテクストを導く。
12月1日開催、第1回「アート&テクノロジーから宇宙技芸へ」の会場観覧の申し込みは定員に達したため締切いたしました。当日はYouTubeでのライブ配信にて観覧いただけますと幸いです!(11/29)
芸術と技術、西と東の相対化は可能か?
メディアアートのパイオニアである藤幡正樹氏と協働し、アート&テクノロジーについて歴史と地域、表現とメディアとの関連から考える全2回のシンポジウム。
シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]は、メディアアートのパイオニアである藤幡正樹氏と協働し、海外からキュレーター、哲学者、プロデューサーを招聘し、アート&テクノロジーについて、歴史と地域、表現とメディアとの関連から考える全2回のシンポジウムを開催します。
本シンポジウムは、2024年5月よりスタートした連続ミートアップ「アート&テクノロジーへの問い」の最終章となるものです。ここでは、藤幡正樹氏を中心に、毎回異なるテーマ(人間と道具、絵画史と鑑賞空間、コンセプトと表現、生命と機械等)を通して、芸術と技術、西洋と東洋といった問題について、参加者とともに考えてきました。
今回のシンポジウムでは、海外からの具体的な事例を紹介するとともに、哲学的な視点を共有し、西と東、芸術と技術のこれからのあり方について議論していきます。
○「アート&テクノロジーの相対化に向けて」Directed by Fujihata Masaki 【全2回】
参加無料/要事前申込 ※定員に達し次第申込締切
申込方法:申込フォームより必要事項を記載のうえお申し込みください。
※日英同時通訳付
※本プログラムは当日ライブ配信いたします。CCBT公式YouTubeチャンネルよりご視聴ください。(配信視聴の申し込みは不要です)
※本シリーズは、CCBTにおいて国内外の研究者等をパートナーとし、シビック・クリエイティブの実現に資するための研究、開発とその公開を推進する「リサーチ・パートナー・プログラム」の一環として実施しています。
第1回 「アート&テクノロジーから宇宙技芸へ」
【会場観覧の申し込みは締切ました】
日時:2024年12月1日(日)15:30〜19:00
登壇者:ユク・ホイ(哲学者)、ジョンソン・チャン(キュレーター)、藤幡正樹(メディアアーティスト)
モデレーター:原島大輔(思想家)
これまでは個々の国々が、その近代化のために西洋化を迫られるという状態が続いていましたが、近年は非西洋社会における独自の近代化への模索が起こりつつあるようです。今回は、その中で新たなコンテクストを作り出す実践者をゲストに迎えます。ユク・ホイ氏は、「アジアに哲学はあるのか?」という問いに立ち向かい、そこから思考の土着性に注目するとともに技術の哲学の立場から、技術概念の多様化をめざし「宇宙技芸」を提唱する哲学者です。一方、ジョンソン・チャン氏は、国際的美術のプラットフォームへの適合とは異なる方法において、中国の美術の形成を実践し、牽引するキュレーター、教育者です。
今こそ、私たちは、あらためて「アジアにアートはあるのか?」という問いを立てる時期に来ているように思われます。その時、技術多様性=宇宙技芸にとって、アートが果たすべき役割は果しなく重要であることに気づくでしょう。
15:30-16:00 はじめに
16:00-16:40
[発表1]ユク・ホイ「アートとメディア」
16:40-17:00 コメンタリー
17:20-18:00
[発表2]ジョンソン・チャン「アートとそれを可能にする文脈」
18:00-18:20 コメンタリー
18:20-19:00 [ディスカッション/Q&A]
第2回 「アート&テクノロジーの地政学、次世代への視点」
日時:2025年1月19日(日)14:00〜17:30
登壇者:リシャルトゥ・W・クルシュティンスキー(キュレーター)、斯波雅子(非営利団体BEAF共同創設者兼ED)、藤幡正樹(メディアアーティスト)
写真を中心とする技術進化が、結果的にモダンアートを創出したにもかかわらず、現代の美術は技術への言及を退け、コンセプトの開発を重視してきました。現代は、写真発明以上のインパクトを持ったデジタル技術による変革の時代です。その中でデジタル技術を中心課題とするメディアアートは、未来に向けたアートの領野を拡充する最重要分野であると思われます。しかし、ここでは地政学的な時間差や歴史的な技術概念の違いから、作品に対する評価軸の揺らぎが続いています。
第2回目では、欧州や日米を往来する実践者の活動から、各地域におけるアートとメディアテクノロジーの関係をめぐる歴史的変遷を外観し、キュレーションの可能性について議論していきます。
14:00-14:30 はじめに
14:30-15:10
[発表1]リシャルトゥ・W・クルシュティンスキー「アートにおける「技術」とは何か? キュレーションを通して考える。」
15:10-15:30 コメンタリー
15:50-16:30
[発表2]斯波雅子「次世代のアートの実践とそのサポートーBEAFの取り組みから」
16:30-16:50 コメンタリー
16:50-17:30 [ディスカッション/Q&A]
―これまでの開催― 連続Meetup「アート&テクノロジーへの問い」
2024年5月より藤幡正樹氏とCCBTが協働して開催してきた連続Meetup「アート&テクノロジーへの問い」。ここでは、鑑賞者、アーティスト、学者など、新たな創造的視点を探求する幅広い層を対象に、アートとテクノロジーの交差点から未来の社会を構築するための学びの場を提供してきました。科学・芸術・哲学・技術と、その関係性を読み解く各レクチャーには、毎回100名以上の参加者を迎え、藤幡正樹氏とともに討議をしてきました。