2023年度 CCBTアーティスト・フェローcontact Gonzoは、CCBTを拠点として新作パフォーマンス作品の制作を進めています。テーマは「人間の皮膚」。制作活動におけるリサーチの一環として、細胞生物学者で歌人の永田和宏氏を講師に迎え、振動や圧力、痛みなど、さまざまな情報の授受を行うインターフェースである「皮膚」をテーマとしたオープンレクチャーを開催します。
本ミートアップでは、contact Gonzoがフェロー活動として取り組むプロジェクトについて紹介するとともに、「人間の皮膚」に存在する「閉じつつ、開く」システム=生命の維持を実現しているテクノロジーの仕組みを学び、探求します。
これまで即興的な身体の接触とそこから生じるアクションを軸に作品制作を行ってきたcontact Gonzoが、今回の新作制作では「人間の皮膚」にフォーカス。身体の境界で起こる接触に起因して、その深層にある細胞レベルでは何が起こっているのでしょうか。この問い〜bintaの深層〜に対する検討を目的として、ミートアップ前半では細胞生物学者で歌人の永田和宏氏を講師に迎え、オープンレクチャー「私の内と外―細胞の膜とヒトの皮膚」を開催します。
永田氏は著書『生命の内と外』(2017年、新潮社)において、細胞の皮膚ともいえる細胞膜は内と外との境界で「閉じつつ、開きながら」必要なものを摂取し、不要なものを拒み排除していると語っています。内と外を隔てる「境界」である皮膚ですが、細胞レベルにおいても細胞膜が同じはたらきを行っており、これによって生命の維持が実現しているのです。この「閉じつつ、開く」のアイデアから、境界の意味を再考します。
ミートアップ後半では、YCAMバイオ・リサーチ 主任研究員である津田和俊氏(研究者)をファシリテーターに迎え、contact Gonzoメンバーと永田氏の対談を行います。学者でありながら表現者(歌人)でもある永田氏との対談を通じて、目に見えない極小の世界と表現を接続し、作品制作におけるアイデアの拡張を試みます。
タイムライン(予定)
19:00-19:15[イントロダクション/プレゼンテーション]
contact Gonzo「my binta, your binta // lol ~ roars from the skinland ~」
19:15-20:15[オープンレクチャー]
「私の内と外―細胞の膜とヒトの皮膚」講師:永田和宏(細胞生物学者、歌人)
20:15-21:00[対談、質疑応答]
登壇:永田和宏、contact Gonzo(パフォーマンスユニット)
モデレーター:津田和俊(研究者)
制作プロセス公開
CCBTアーティスト・フェローcontact Gonzoによる企画「my binta, your binta // lol ~ roars from the skinland ~」の制作プロセスをDiscordにて公開しています。(閲覧にはDiscordへの登録が必要です)